さて、帰るか

 なんかお盆こそ働けみたいな、いや、俺は、別にどこか行く予定も仲間もなければ、帰るべき実家も田舎もなく、アパートに籠もってるよりはオフィスのクーラーの方がいいだろう、というのは正しいのだけれども、いやはや、まったくもう、なんか、けど、誰もいない、電話もない、というのはいいなあ、正直言って、いいなあって思いながら、それで延々と延々と雑多な寄せ集められたJPGを延々と延々とEPSにする作業などしていると、まったくこればかりで一生過ごしたいような気にもなるが、中国人デジタル労働者たちが細かい画像を一枚いくらで毛抜きするのかと考えれば、まったくもってそんなお気楽な商売もなく、だいたい俺は正当な教育も訓練も受けておらず、よく平気な顔して画像処理などしているようなものだと思うが、あの分厚い本を、版元様のご意向で色校無し、というのをやって、それ以来怖いものなんて何もないぜ、本当だぜ、明日はスキャンだぜ。