ゴミ屋敷ネコ屋敷ハト屋敷

 俺は一人暮らしをはじめてから新聞を取っていない。スポーツ紙を必要なときに買うだけだし、ネットでもそれなりの記事は読める。本当のところを言えば、毎朝日刊スポーツが届けられて、夕方には内外タイムスが届けられるのが理想なのだけれど、お金がないのだから仕方ない。そして、新聞宅配が無いことによる弊害がもう一つあって、それは折り込みのチラシが無いことだ。これが意外にもちょっと寂しいものなのだ。
 しかし、欲しくもないのに郵便受けに入る物もある。すなわち、「ぱど」や「サンケイリビング」だ。それにはちゃんと折り込みチラシも入っている。大して興味のある内容でも無いのに目を通してしまう俺も貧乏性と思う。チラシにしてもだいたいが主婦向けのエステや美容関係、あるいは引っ越し、粗大ゴミ関係だ。そんな中、一つのゴミ業者の広告に「ゴミ屋敷」も片づけます、みたいなものがあって、そこに「ゴミ屋敷」は登録商標だという文言があった。ゴミ屋敷といえばしばらく前にテレビのワイドショーやニュースが取り上げたりもしたが、あれか。まあ、ネタが無いときに放送するネタなのかもしれないが。
 しかし、「ゴミ屋敷」が商標になるのかと検索してみれば、なるほどちゃんとあった(http://www1.ipdl.ncipi.go.jp/syutsugan/TM_DETAIL_A.cgi?0&1&0&1&4&1118729549)。同じ会社が他に「ネコ屋敷」や「ハト屋敷」も登録している。「ネコ屋敷」と言えば、昔住んでいた鎌倉の家の近くにも一件あって、お決まりのように「ネコおばさん」と名づけられた奇妙な住人が居たっけ。「ハト屋敷」となるとどうだろう、新沼謙治が住んでいるのだろうか。
 というわけで、たまには「ぱど」や「サンケイリビング」が役に立つという話なのだった。と、思ったが、別に俺は「ゴミ屋敷」で商売しようとかそういう気はさらさらないので、まるでどうでもいい話なのである。