トム・クルーズの三つの聖痕

 映画『宇宙戦争』を見に行かないかと誘われたのだけれど、あまり興が乗らない。そこで、トム・クルーズってちょっとおかしな思想にはまってるらしいぜ、と、最近話題の反精神医学についての言動(http://spica.tdiary.net/20050625.html#p07)などをしてみた。結構意外だと驚かれたし、俺も初め聞いたときにはちょっと驚いた。なにせ、どう見てもナイスガイだしな。それに、トムにはトムで失読症という自らの病がある(http://www.walkerplus.com/tokyo/latestmovie/news/news1887.html)。けれど、さすがにこの主張には乗れないな、と俺は思うのだ。
 上の攻殻の話じゃないけれど、俺は脳が体の臓器の一つくらいにしか思っていない。抗うつ剤などの薬剤で心の具合を治すのは、胃薬で胃の調子を治すのと何にも違いはないんじゃないかくらいに思う。胃薬がよくて、抗うつ剤が悪いってのはちょっとよくわからない。かなり乱暴だと思うけれど、俺はそんな風に思う。
 しかし、脳の風邪が厄介なのは、それがその個体全体に及ぶことだろう。これはもう如何ともしがたい。臓器の一部とはいえ、社会的存在としての人間のコアには違いない。というわけで、俺もささやかな薬や合法のドラッグ(アルコール)で、脳をどうにかしたい、心をどうにかしたいと生きているわけだ。
 俺はそこらへんで何とかなっているけれど、もっときついことになったら、かなりやっかいだろうし、強い薬も必要だろう。こればっかりは、風邪が治るまで周りが助ける必要があるんじゃないかと思うし、けっこうな援助があったんじゃないかとGON!あたりを読んで知っていたけれど、最近そのへんの援助がカットされそう、という話(http://d.hatena.ne.jp/project32/)。処方薬依存なんて問題もあるだろうし、俺に踏み込んだところまではわからない。しかし、これについては単なる経費削減っぽく見えるあたりが、なんだなぁと思う。
 しかしやっぱり世の中、もうちょっとサイバーでパンクにならなきゃいけない。もう二十一世紀だ。脳に電極ブッ刺してナンボの電脳社会にならなきゃならん。だいたい、こんなことで人間同士が揉めていたら、あっと言う間に宇宙戦争に負けちまうしな。