もしもおれが双極性障害だとしたら

 「おまえ双極性障害じゃね?」といったところから、その前に「心電図おかしいぞ」ってなって、とりあえず「双極性障害の話おいといて、循環器内科行け」ってなって、結果的に良性の期外収縮不整脈、というところに落ちついた。
 が、「おまえ双極性障害じゃね?」というところについては、また今度ということになっていて、とりあえずそれまでの投薬(アロチノロール抜き)で次回まで、というところになった。
 それで、ふと図書館で「双極性障害について知識仕入れとくか」となって、上の本を借りて読んだ。同じ著者によるもう少し新しい本もあったが、参考論文の英字羅列が眩しい、専門家向けの本という感じなので、まあとりあえずということで手に取った。執筆動機として、だれかから「新書は現代のエンサイクロペディアだ」と言われて、「大うつ病の新書は多いけど、双極性障害は少ねえな」というのがあって、まあそういう意味でも新書はいい。もちろん、Wikipediaも読むけどな。著者も、日進月歩で研究は進んでるから、インターネッツをチェックしとけよって書いてたし。

 で、全般的にわかったことは、双極性障害、すなわち古い言い方だと「躁うつ病」の「うつ」は「大うつ病」用の抗うつ剤が効かねえということ。まあ、少なくとも、今は十分に効くというエビデンスはないようだ、と。よくわかんねーけど、本書執筆時にはリチウム最強! という印象を受けた。ただ、管理と副作用がえらく面倒らしい。
 あとは、だいたい(軽)躁状態のときは本人がそれを異常だと感じることが難しく、だいたいうつ転したときにプリントアウトしてメンヘル病院へ行くので、うつ病と診断されたりすることも多いとか、抗うつ剤のいくつかは躁転を引き起こすとか、判断まで時間を要するとか、精神科医はネクタイで首を締め上げられるのを嫌ってノーネクタイが多いとか、そんなところだろうか。
 で、おれが双極性障害である可能性について素人考えで考えてみるに、たとえば次のエントリー。

 思うにおれがこれを書いたときおれは完全にハイだったし、ダイエットの成功、ジョギングの快楽にいかれていた、といえる。おれはこの一ヶ月後くらいの朝、体がまったく動かなくなって精神科にかかった。そこで「強迫性障害」、「摂食障害」と判を押された。抗うつ剤抗不安薬を処方された。され続けている。
 が、ここで思い返せば、おれに処方された抗うつ剤は、双極性障害にはアウトの三環系抗うつ薬でも第二世代のそれでもなく、レスリンだということだ。目的も睡眠の質を高めるということだった。もしかすると、最初から双極性障害を疑われていた可能性もある。たしかに、最初に体がまったく動かなくなったのはうつ病くさくもあるし、まあこういった病気はスペクトラムだかなんだかで混じり合ってるものだろうが、おれはどうもときどきうつ病というには元気すぎる気もする。
 それで、自分の異常集中や急に湧き起こる瞋恚だとか、そういうものは境界性人格障害みたいなものかと思っていたのだが、それらが軽躁状態だというと、それはそれで納得できるところもある。さらに言えば、家族歴というのか、自分の父親も何らかの人格障害者に違いないと思っているが、I 型級じゃねえかという躁うつ状態を繰り返してきたというと、まったく納得するところがある。なんで気づかなかったんだろう。あの異常な社交性と、家に引きこもって寝込んで動かなくなることの対比を。
 まあ、他人はどうでもよろしい。おれの脳の話だ。うつ状態で病院を訪れ、初見で双極性障害というのは見抜きにくい(見抜けない?)らしいが、上のような急激なダイエットのハイ、それをまわりに心配されたことに対し「BMIの範囲内だ、それにおれはすごく気分がいいし、体調もいい!」と言い張っていたことなどを診察時に言ったことなどもある。それから一年経ち、気分安定剤への切り替えを、ということやもしれぬ。さて、どうなることやら。

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