双極性障害者が『うつを甘くみてました #拡散希望#双極性障害#受け入れる#人生』を読む

 

Kindle unlimitedが3ヶ月間で99円とかいうキャンペーンをやっていて、とりあえず登録してみた。が、読むものがよくわからない。よくわからないが、病気、障害(精神的なやつ)のコミック・エッセイなどがあることを見つけ、いくつか読んだ。

いくつか読んだなかで、やはり「これは」と思うのは、おれが患っている双極性障害躁鬱病)の人のものだった。書名は「うつ」とわかりやすくなっているが、ハッシュタグ(こういうやり方もあるのか)にあるように、著者が最終的に診断されたのは双極性障害である。

最終的に、というと、本当に最終的なのかどうかわからないが、まあ、最終的だろう。なにせ、おれも著者と同じく、最初は強迫性障害パニック障害と診断され、それからだいたい一年間、非SSRISNRI抗うつ剤であるレスリンを投与されていた。が、だいたい一年くらい経って、「あなたは双極性障害のようだ」と再診断された。それ以来、双極性障害用の薬を投与されて、それなりの効果が出ている。レスリンも悪くないと思っていたが、ジプレキサはそれ以上に効いたし、今飲んでいるラツーダはそれ以上の効果を示している。

そんなおれは、おれなりに、双極性障害抑うつ状態を人に知ってもらいたいと思ったそれで書いたのがこんな文章だ。

 

blog.tinect.jp

 

ここにも書いてあるとおり、これはおれの一例だ。そうでない例もある。だが、うつ病(大うつ病性障害)に比べて、双極性障害についてのエピソードはあまり多く語られていない。

で、そんな中でこの本、『うつを甘くみてました #拡散希望双極性障害#受け入れる#人生』である。

正直、おれはこの本を読んで「ああ、そうだったのか!」と思った。

おれは今まで、自分の「双極性障害II型」を説明するのに、躁状態の波は高くなく、ただひたすら軽い鬱状態が続く、というような説明をしてきた。が、この本の著者はどうであろうか。「軽い状態の鬱」などではない。かなり重い。おれは過呼吸になって、低体温になって、救急搬送されたこともないし、酒とOD(オーヴァードーズ)で救急搬送されたこともないし、自傷行為をしたこともない(病気が発覚する二十年くらい前にしたことはあるけど)。

要するに、II型の躁状態の波は高くなくとも、鬱状態の底への接近は深いこともあるのだ。おれはそれをわかっていなかった。不明を恥じたい。あくまで、「軽い抑うつ状態」と思っていた。そんなことはない。もっと深い鬱に沈んで、なおかつ浮上しがたい双極性障害II型があるのだ。そのことに思い至らなかった。まったく。

というわけで、おれによって双極性障害II型をイメージしている人がいたら(ほとんどいないか)、本書を読んで認識をあらためてもらいたい。そんなふうに思う。実家が太い(資本的、人的に)のはうらやましいなと思いながらも、ここまでおれは抑うつに落ちていないというところは認めざるをえない。おれはまだ軽い。ただ、軽いけど、そんなに楽でもない。けっこうぎりぎりを生きている。そのあたり、本当に個々人によって千差万別なのであって、なんとも言えないな、というところだ。

 

以上。

 

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あと、とりあえず双極性障害(双極症)についての、脳科学的なアプローチについては加藤忠史先生の本を読んでおけばいいのではないかと思うが、どうだろうか。

 

goldhead.hatenablog.com

 

あるいは、坂口恭平さんのような例も読んでみていいかもしれない。