おれが軽躁状態になったときのことも書き留めておきたい

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寄稿いたしました。

一度、自分の抑うつ状態についてまとめて書き留めておきたいと思っていたので、わりと頑張って書きました。

さらにいえば、かなり抑うつから近い段階で書いているので、鮮度は抜群です。

あくまで、おれという一例ですが、同じような病を抱えた方から、「どんなんだろ?」という方まで、ご一読いただければ幸いです。

 

……で、いつも書いていることですが、自分は双極性障害です。双極、すなわち躁と鬱の極がある障害、病気(双極症という言い方のほうが新しいらしい)なわけです。というわけで、躁鬱病の鬱はわかったけど、躁の方はどんなんだよ? ということになると思いますので、そちらについても書いておきます。

ちなみに、自分は双極性障害(II型)です。簡単に言えば、I型と分類される人に比べて、波の高低が低いタイプです。どちらかというと抑うつ状態が長く、躁状態になっても、すごくすごい突飛な行動をしたりはしません。一晩で全財産を使ってしまうとか、あてもなく海外旅行に行ってしまうとか、「自分は後亀山天皇の末裔だ! ここに新しい日本国を建国する!」とか言い出したりはしない。軽躁というものになる。

では、おれの軽躁とはどんな感じか。

  • 歯ぎしりがひどくなる
  • 歯を食いしばる
  • 歯が痛くなる
  • 頭がカーっとして空回りする
  • 頭が空回りしてあまり働けない
  • 動悸がはやくなる
  • 少し言葉づかいが乱暴になる

……こんなところです。

あれ、抑うつに比べて書くこと少なくね? いや、本当にそうなんです。抑うつ状態でなんとか動いているうちに、気づいたら、なんか別の意味で身体のコントロールが効かなくなる。ふと気づくとそうなっている。一番気づきやすいのは歯で、ガタガタいってたのが歯ぎしりになり、さらに食いしばりになって、歯が痛くなる。そんなことで、「あ、軽躁かも?」と思ったりするわけです。

で、躁だからといって、急に外交的になったり、人の長時間電話したりということもありません。というか、できません。頭はカーっとなっているんですが、空回りしている。エンジンは動いているけど、ギアが入っていないという感じです。要するに、行動力が落ちるのは抑うつと一緒なのです。動悸は少し早くなり、ドキドキする感じもあって、それは抗不安剤で抑えます。

一つ、行動的な面でなにかあるかとすれば、言葉づかいが乱暴になる、くらいでしょうか。別に怒る要素もまったくないのに、ちょっと声が大きくなって、攻撃的な物言いをしてしまう。もちろん、職場の中での話であって、道で知らない人に話しかけたりはしませんし、コンビニとかで店員さんに切れるということもありません。

 

自分で言うのもなんですが、つまらんです。躁鬱病の人には、躁状態の楽しさを求めてなんかしてしまう、という行動もあるようですが、自分の軽躁は上記のようにまったく面白い要素がないのです。単に「抑うつは抜けたか……」という経過にすぎません。副反応みたいなものです。躁状態で人生を台無しにしている人もいるので、あまり言いたくはありませんが、おれもちょっとは躁状態で楽しい気分を味わいたかった、という思いもあります。

 

で、たとえば今は躁でも鬱でもない、通常の状態と言えるでしょう。とはいえ、これは抗精神病薬(ラツーダ)や抗不安剤レキソタンのゾロ)で成り立っているので、果たして通常と言えるのかどうかという疑問もあります。人間にとって通常とはなんでしょうかね。まあ、外から見て普通であれば、まあそれが普通、通常と思っていればいいでしょうか。少なくとも、日常生活はそうですし、薬によって成立している自分というものが、自分なりに動ければそれでいい。そして、そんな自分から逃げたいがために、アルコールで思考を吹っ飛ばしたりするわけです。

 

これ以上はなにも望めないし、なにをすることもできないし、なにをしようとしても抑うつに流されてしまう。もう諦めの気持ちです。だんだん加齢によって身体も弱っていって、病気への抵抗力も失っていって、道で座り込む、横たわることもあるかもしれません。まあ、そんなものでしょう。

 

そんなところです。

 

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