さて、帰るか。

 さっきから小バエみたいなのが、俺のコーヒーカップの底の飲み残しのコーヒーをすするのを見ているが、足を滑らして落ちやしないかと気が気ではない。かといって、無理に吹き払おうとでもして、コーヒーの湖に溺れてしまっては可哀想だ。しかし、カフェインといえば一人の人間の精神を壊し気味にするという(id:goldhead:20050907#p4)に、この小さな小さな生き物に害はないのだろうか? さっきから、一度離れては戻りを繰り返しているが、あるいは中毒性か。いずれにせよ、翌朝出社してきたら、彼もコーヒーの上に浮かんで死んでいるかもしれない。しかし、短い(かどうかは知らないが)ハエの一生の最後、腹一杯になってラリって死ぬのなら幸せなことかもしれない。日本文学の歴史の中には、似たような死に方をして有名になったネコもいたはずだ。まあ、その時は合掌。