神仏ステークス

 弘法大師空海といえば日本密教界のビッグ・スターである。その証拠に、クーカイ萩原清厩舎)とピサノクウカイ藤沢和雄厩舎)という二頭の競走馬を競馬界に送り込んでいる。しかし、一方で伝教大師最澄の名を競馬で聞いたことがない。チアズサイチョウ、リワードサイチョウ、トーセンサイチョウ……。というわけで、やはり空海はスター度が高いのである。
 しかしなんだろう、馬にある宗教のビッグネームをつけるのはどうなのか。もしも「コーラン」なんていう名前の馬がいたら、想像するだけで危険である(ゴーランは一字違いでよかった)。しかし、ヒンズー教聖典由来のバガバッドギーター(萩原清厩舎)は走っている。それに、なんといってもイエス(谷潔厩舎)なんてのは大変だ。むろん、小文字のyesなのだろう。きっと。とはいえ、神仏系の名前なら洋の東西を問わず珍しくない。アドマイヤボサツ、カイウンカンノン、アンジュガブリエル……、レッドゴッドイエローゴッドはどこの神様かしらん。それでもってアポロノサトリ堀井雅広厩舎)までくると、もう神仏習合どころじゃない。
 えーと、なんの話だっけ。そうだ、全くべつの話題をしようとして、冒頭から逸れすぎたからこうしたのだった。ただそれだけだ。