今朝のことだ

 今朝、通勤中、歩道の先に黒いスーツの人たちがわんさかいたので、俺は慌てて道を渡った。渡った先で先を見たら黒いスーツの人たちがわんさかいたので、俺は腰を抜かすかと思った。前に進むのも怖いが、クルッと引き返すのも怖い。ふと見ると、ビルの狭間の公園への抜け道があって、俺は右に逃れることができた。あの抜け道がなかったら、俺は今でもあの歩道で黒い人たちの方へ向かって歩いているところだと思う。