抗うな

 一昨日のことである。郵便受けにJRAからのプレゼントが届いていた。去年もあった、有馬記念に向けてのDVD、PAT会員向きのサービスだ。これについては去年西山牧場西山茂行社長が痛罵していたのを思い出す。日刊スポーツでのコラム欄だったが、これにかかるであろう費用をざっくり出した上で、G1競走の一着賞金に見合うだけの価値があるのか、と。PATの運営主体はJRAそのものではないが、ファミリーであることには変わらない。なるほど、と思ったものだ。
 しかし、俺は西山社長のご母堂とは違ってDVDを見られる環境にあるので、もらったものはしっかりと観賞した。内容は、岡部幸雄が振り返る有馬記念名勝負。古くはシンザンシンザンが消えた!)から、TTG(岡部が「三強だけの競馬」と言ったとたん、当時の実況が「四強」とかぶせたのがおかしかった。四強目は菊花賞プレストウコウ。ここに姿を見せていない真の四強目はマルゼンスキーである)、シンボリルドルフ(未だにカツラギエースに敵意を見せる岡部は好きだ)、そして最近のシンボリクリスエスといったあたり(やはりコイントス三着では誘導の役割を担ったと自覚していた。しかし、コイントスにとっても最高のパフォーマンスだったのだから文句は言えない)。岡部の話は興味深いが、「岡部さんの頭が邪魔」、「レースを通して見たい」などという感想もでてきた。しかし、おまけのディープインパクト三冠ダイジェストも含め、タダのもので売れるべき商品を阻害するわけにはいかない、といった事情もあるのだろう。
 さて、このDVDを見た結果、俺はどうなったのか。やはりギャロップ誌を開いてしまったのだから、まあ效果はあったか。しかし、無駄遣いに思えるという点では去年西山氏のコラムを読んだときの印象と変わらないことを付記しておく。