土方歳三は何度も死ぬ

 昨夜のNHK『その時歴史は動いた』は、土方歳三箱館で死ぬ話であった。俺はこれを見ている(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20041216#p2)。日記を読み返すに、ひょっとしたら三度目かもしれない。それでも見てしまうのだから、俺もよほどの幕末好き、新選組好きだ。しかし、ここからさらに進んで「歴史資料の原典にあたってみたい」だの「関連史跡を巡ってみたい」とは思わないあたり、永遠のミーハーファンと言えるだろう。再放送を見るだけで満足するのだから。
 再現ドラマ(に使用されていたドラマ)の中の土方は、ガッツ石松にボコられる織田信長だよな? ……と思ったら、全然別人だった。俺はかなり人の顔が見分けられず、覚えられない人間だとよくよく自覚しているので、恥ずかしくもなんともないぞ。ここで土方を演じていたのは沖田さとし(土方なのに沖田)という役者さんで、昔は科学戦隊ダイナマンだったらしい(俺はズッポシその世代だが、覚えているはずはない)。どうも、使用されていたドラマは合戦シーンのみで、アップの場面は『その時』用に撮ったもののようだ。そういえば、画質が違ったか。ちなみに、スタッフサービスの方は四方堂亘という役者さんでした。ごめんなさい。
 話を土方に戻そう。もちろん、この放送は新春の『新選組!!土方歳三最期の一日』に向けての宣伝だろう。番組後のCMで堂々と予告を流せばいいのに、それはなかったっけな。まあともかく、『その時』が最期までの一年を描いたのに対し、こちらは一日。三谷幸喜が公式サイトで述べているように、たしかに近藤勇の死〜土方歳三の死までで大河ドラマ一本分いけてしまうボリュームなだけに、果たしてどうまとめるのか見物だ。
 近藤勇土方歳三も、あるいは坂本龍馬だって西郷隆盛だって何度も死ぬ。しかし、死ぬたびによみがえる。その復活の大きな材料として自らの写真を残した土方は、それを信じていたように思える。そして、同時に、よく撮れた写真を残してやろうという茶目というか洒落っ気というか粋の部分も併せ持った人なのではなかったか。山本耕史(紅白の司会もやるのな)の土方はそういう雰囲気があると思うが、三谷が最期をどう描くのか楽しみだ。