M-1グランプリを見た

http://www.asahi.co.jp/m1gp/
 事前番組とかいっさい見なかったから、名前も知らないコンビは、知らないままでの初見だった。あえてそうしようと思ったわけでもないけれど、それはそれでいいんじゃないかと思ったけれど、まあ本当に別にどうでもいいことだ。サイトで順番を確認しながら、いくつか覚え書き。
◆決勝戦

  • 笑い飯……トップバッターからいきなりネタに入って、えーとなんだっけ、下駄箱のネタだったか。はっきり言ってボケ合戦のパターンに新鮮味はない(というと飽きたみたいだが、えーと、最初ほどのインパクトはない、くらいのこと)けれど、勢いがあってやはり面白い。しかし、煽りVTRの、あの博物館の動く人形はM-1史上で最高のネタだったんじゃないかと思う。
  • アジアン……初見。女性コンビでオーソドックスな早口ネタ。しかし、司会の今田耕司が「ホンコンさん以来」と言った細い方の顔、そこまで引っ張れるほどのインパクトは無いように思えたが。自分の感想は、だいたい審査結果と離れないところだった。今回、審査結果については全般的にそうだった。
  • 南海キャンディーズ……なんか長く感じたけど、タイム減点はなかった(今回からのルールらしい。誰も引っかからなかったようだが)。しずちゃんのスローモーなペースがそう思わせるのか。ネタは面白かったが、初めて見たときのインパクトはなかった。思えば、この一年でむちゃくちゃ露出が増えたものだ(しずちゃんの水着の話ではなしに)。見慣れられるというのは、こういう舞台では一つのマイナス点かもしれない。
  • チュートリアル……久々に聞いたような名前だと思ったが、そういう感じに扱われていた。出だしはあまり面白くなさそう、という印象だったが、後半に来てがっつりバーベーキュー世界を展開させてこれはよし。ラサール石井も述べていたが「ホームページ」には笑った。
  • ブラックマヨネーズ……初見。オーソドックスな漫才という感じで、これは勢いもあってガツンと来た。としか言いようがない。煽りVTRのコメントで頭や顔を言い過ぎという感もあったが、そんなのはネタとかぶろうが、全く動じないエネルギーであった。大阪の地理とか知らなくても、なんだか笑えてしまうものね。
  • 品川庄司……島田紳助が言っていたが、きちんと練習しての舞台だったということか、掛け合いのテンポなどよく、あるいは下馬評のように優勝するのかな、という感じ。結果的にそうならなかったわけで、歴代優勝者の名前にこれが加わると、あまりにもぴたっと来すぎる印象で、そうはならないのも競馬……、もといM-1なのかもしれない。
  • タイムマシーン3号……初見。デブが強調されていたが、HIROちゃんみたいな存在が居る以上、小太りがいいところではないか。動きはよかったが、やはりネタがデブ一本では。アジアンの太い方と並んだら、何か別のザ・たっちみたいかもしれないとか思った。
  • 麒麟……野球の実況ネタで、オチがバチコーンと決まったのはもちろん、ほかもバシバシ来ていた印象。最終決戦よりも、一本目が来ていたな。
  • 千鳥……敗者復活戦から。ネタは幕末ごっこもので、俺はよく知らないが、千鳥はごっこもの一本なんだろうか(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20050110#p3去年のネタは中世騎士もの)。いや、トップバッターでエロ小話してたっけ。いや、あれも子どものごっこものという設定だったか。で、幕末にはうるさい俺だが、「あほじゃけえ」の価値を転倒させたネタはよくできていると思った。

◆最終決戦

  • 麒麟……「服ー」はあまりちょっと。最初の「麒麟です」言い忘れネタも、やや時間がもったいなかったような。と、辛口になってしまうのは、一本目が好印象だっただけに。ただ、一番手をチョイスしたのには拍手(そのあとの笑い飯のリアクションを引き出した点でも)。ああ、けど、最後の「勢い」押しは嫌いじゃない。
  • 笑い飯……掛け合いボケパターンではなく、マリリン・モンローで勝負をかけてきた。なんだかもう、わけがわからないことになっていて非常によかったが、終わりのタイミングの、一瞬の間が少し惜しかった。
  • ブラックマヨネーズ……一本目と同じパターンで決めてみせた。文句なしに優勝ではないかと思った。結果的には笑い飯と一票差だったのは少し意外。今までのすべてを含めれば笑い飯だが、この日のネタに限ってはこちらに勢いがあった。

 というわけで、何を偉そうにこんなことをぐだぐだと書いているのかということを書いてしまった。しかしなんだ、やはりこういう番組はいい。別にこれで各参加者の面白さの序列が決まるわけじゃないが、この日、この一瞬を切り取って力比べをしようっていうところの、こういった戦いはやはり面白い。あまり知らなくても面白い芸人が出てくるのもいい。吉本興業の力もあってか、別に他局でもこの話題がタブー視されることもないようだし、ますますの発展を願いたい。
 最後に、審査員や出場者の誰よりも芸人らしい格好をしていたのは、去年同様オートバックスの社長であり、一番頭にこびりついた芸人は出演者の誰でもなく大木こだま・ひびきであったことを付記しておく。

関連:http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20041227#p2←去年の日記。む、「強制終了や減点の要素は取り入れなくてもいい」とか書いてるな。いい加減なことに、今年減点制度が導入されたのを「当たり前だよな」とか思って見ていた。