君は炭酸水の台頭を信じるか?

 君はことあるごとに炭酸水への愛を語る(id:goldhead:20050812#p1、id:goldhead:20050901#p4、id:goldhead:20050916#p4)。「毎日蛇口をひねれば炭酸水が出てくる日が到来するのを待つ毎日である」とすら言う。しかし内心、そんな日が来るとは信じていない。無味無臭の炭酸水それ自体が気軽に帰る時代が来ることを信じていない。
 そんな君は先日、GOCCIA BLUというイタリア産の炭酸水を職場で飲んでいる。なぜかコンビニに置いてあったのを買ったのだ(トリノ五輪のせいかもしれない)。すると、その鮮烈な青色のボトルを見て同僚がこう言う。「それって岡村の宣伝してるやつだよね?」。君はナイナイの岡村がイタリアの炭酸水のCMに出るか、いぶかしく思う。
 その謎はしばらくするととける。彼女が指していたのはキリンのNUDAhttp://www.beverage.co.jp/nuda/)のことだとわかる。君の炭酸水好きは知れていて、青いボトルだから勘違いしたのだとわかる。
 君は朝のコンビニでNUDAを手に取る。キリンお得意のシンプルなデザインに「無糖炭酸」の文字が頼もしい。君は職場に来て自分の席に着き、しげしげとボトルを眺める。炭酸水の扉が開かれるかもしれないその商品を眺める。そして、次の文字を発見する。「甘味料(ステビア)」。君は裏切られた思いで、怒りに打ち震える。朝を台無しにされた思いで、NUDAを給湯室の冷蔵庫に放り込んで、熱いコーヒーを飲む。
 しかし、そのまま放っておいても仕方ないので、君は夕方ののどが渇いたときにNUDAを取り出して、飲む。そして、驚く。君は甘味を感じない。かすかな雑味を感じるばかりで、これは炭酸水そのものだと知る。テアニンがどんな物質か知らないが、これは炭酸水に違いないと確信する。
 それでもまだ君は半信半疑だ。君はコンビニに並ぶ商品が出ては消えていくことを知っている。君は君が愛したタバコや飲み物に限って消えていくことを知っている。君は半信半疑のまま、のどを刺激する発泡のざわめきに酔う。