讃えよ金本を

http://www.sanspo.com/baseball/top/tig200604/tig2006041102.html

「気分を入れ替えて? もちろん、もちろん。取材屋選手からプロ野球選手に戻るわ」

 もう金本はプロ野球選手に戻っているようだが、昨日メモし忘れたので今日しよう。それにしても、‘取材屋選手’ってのは初めて聞くがすごい表現だな。しかし、今のプロ野球で‘取材屋選手’が誰かって考えてみると、一番はじめに思いつくのが清原和博になってしまうわけだが、まあ、別に金本に他意は無かろう。昵懇の仲だし。
 それはともかくとして、連続フルイニング出場。これは掛け値なしに凄い記録だ。単なる連続出場記録とは別物だ。いや、俺はもちろん物心ついたころからのカープファンで、‘鉄人’衣笠祥雄の記録にケチをつける気はない。が、子ども心にも、代打一打席とかの「出場」というのには、何か釈然としないものがあったのは確かだ。もう、途中から記録のための記録になっちゃってんのかな、みたいな。
 その点、このフルイニングは文句のつけようがない。「骨折して出るってどうよ?」というのにも、翌日ヒットで答えを出すのだからお手上げだ。さらに、そんな目だったこと以前にも、消化試合だろうとなんだろうと出るのがたいしたもので、さらに言えば、試合のあらゆる局面、局面で交代されなかったという点もすばらしい。プロ野球の世界だ、守備や走りのスペシャリストもごろごろしている。その中にあって、交代の必要なしとの評価。これは伊達じゃない。
 ……なんか誉めすぎだろうか。「お前、カープファンなのに」とか言われるだろうか。いや、俺はあまり金本が出ていったことに関して、金本に対してあまり悪い感情を抱いていない。むしろ、広島のオーナーに対する、その球団の体質に対する嫌悪感が強かった。貧乏球団だから無い袖は振れないのはわかる。しかし、あまりにも無策で無能で誠意もない。そう映った。金本が出ていくのも無理はない、と。これはかつての江夏豊高橋慶彦、あるいは衣笠もか、そういったオーナーに嫌われたタイプの列に金本も加わったのだと。だから、その後、金本がカープに対してあれやこれや言ったとかいうことをさっ引いても、なお、あまり悪い印象はない。無論、広島戦で活躍されると腹は立つ。
 というわけで、俺は金本の記録については素直に讃えるわけだ。もちろん、広島で達成してくれればと思わないでもない。とはいえ、こうなってしまったものはこうなってしまったものだし、もう完全に昔から阪神にいたような感じになっているのも仕方がない。しかし、それはちょっと負け犬的だろうか。星野仙一阪神の象徴みたいになってるのを、古い中日ファンはどう思っているのだろうか。まあ、そんなことは福嗣君にきいてみないとわからんかもしれんね。