ワールドカップ:トーゴ対スイス

http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/w/match/template.html?id=30
 FIFAの会長と副会長の母国に、元王者のフランス、そしてボイコット騒動のトーゴが同じ組。が、しかし、正直それほど興味が無いというところ。とはいえ、もはや習慣なのでチャンネルをあわせる。すると、試合前のサポーターたちのようすの中に、おのおの興味深い人がいた。一人はスイスサポーターのおっさんで、こともあろうにタバコ吸って余裕の表情。このご時世、あのヨーロッパのスタジアムだなんて、完全禁煙でねえのかね? けれども、いかにも「俺の空間だ」的なこなれっぷりで、いやはやなんと言うべきか。方や、ほとんどいなかったというトーゴのサポーター。緑の人。こう表現するのがしっくりくる、緑の人。全身これ応援。浮かれペインティングというより、呪術的なものに見えたのは、前に『ガダラの豚』読んだせいかしらん。
 ああ、しかしアフリカか。なんだろう、この脚の長さ(ソックスのせいもあるだろうけど)、そして体の使い方。そういうところばかり見ると、とてもじゃないけどアフリカ人にはかなわん、という気にすらなろうというもの。だが、現実的には、身体能力だけでどうにかならないものなのだろう。とはいえ、彼らが最新の戦術なりをマスターしたら、もうどうにもならんじゃないのかね。
 あるいは、このトーゴのオットー・フィスター監督(http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/w/team/coach.html?team=TOG)のように、アフリカを渡り歩く人間は、そこに究極のサッカーチームの夢を求めているのかもしれない。なにかのきっかけで「アフリカ!」という存在に気付き、アストロ球団的な夢を抱いてしまったのだ。
 とはいえ、たとえばその身体能力と、規律と統率のサッカーは相反するものなのかもしれない。幼い頃からの「身体の近代化」(われわれが小学校で「前にならえ」を仕込まれるようなこと)を施すと、自由奔放な身体の躍動が失われるかもしれない。いや、しかし、ヨーロッパ生まれでヨーロッパで育ち、ヨーロッパでプレイするアフリカンも多くいるわけだし……。
 ……以上、アフリカのサッカー事情もサッカーの戦術もアフリカの教育事情もわからん人間が勝手にほざいてみただけ。で、この試合の方はスイスが手堅く勝利。俺の手もとにある本のこの組の予想では、ベテラン多く不安もあるフランスだが、最低でもGL突破。むしろ若手中心の伸び盛りスイスが強く、少し離れて韓国、最後にトーゴという感じなのだが、はたしてどうなることやら。しかし、フランス、チェコとベテラン頼みと言われるチームが、やや精彩を欠いているらしくこのミーハーには思われるのだが、そういう傾向なのだろうか、この大会は。