ジダンと頭突きとスイスフラン

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/wcup/06germany/headlines/20060721/20060721-00000013-spnavi-spo.html

 FIFAの決定は早かった。ジダンの聴取から3時間後、国際試合担当の規律委員会は頭突き事件に関する処分を発表。予想通り、ジダンには3試合の出場停止と7500スイスフランの罰金、マテラッツィには2試合の出場停止と5000スイスフラン(約50万円)の罰金という内容だった。

 「なんか話題が薄れてきているけど、俺は忘れないぞ」と思おうと思っていたら、決着のニュースだと思った。俺はどちらをひいきするわけでもなく、喧嘩両成敗支持者だった(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20060713#p1)ので、この決定は非常に妥当なように見える。たとえ人種差別的発言があったとしてもジダンは罰を受けるべきだろうし、人種差別的発言がなくてもマテラッツィは罰を受けるべきだ。分量に違いは出てくるだろうけど。
 しかし、元セリエAの選手がテレビで「サイコロジカルな部分もディフェンスの仕事」とか言ってたし、サッカーファンの中には挑発あたりまえの空気もあるようだ。門外漢の俺としては、試合中に相手の母親がいかに淫売であるか述べあうスポーツってのも妙に思えるが(以前「トリビアの泉」で見たけど、テニスの国際審判は、各国のバトウ語に通じていたっけ)。
 ところで、日本サッカーにもこういう面はあるんだろうか。Jリーグの試合中に「このヤリマンの息子め!」とか「おまんこ頭!」とか「気に入った、家にきて妹をファックしていいぞ!」とか。まあ、西洋の侮辱言葉と対をなすものが日本語にはあまり無いから、こういうスタイルのはないか。けど、カッカこさせる挑発みたいなのはあるかもしれない。
 対世界においてはどうか。外国語に精通する選手もいるだろうけど、まあわからん方がいいし、わからんふりをしたほうがいいだろう。日本のスポーツにおける言葉攻撃と言えばノムさんのささやき戦法。「あれ、ワンちゃん、あげる足の高さを低くしたの?」という揺さぶりに、「野村さんにはそう見えましたか……」と真面目に対応してしまう王貞治より、いきなり下関のフグの話をはじめる長嶋茂雄の方が、言葉には打ち勝てるというわけだ。まあ、よくわからんが、こんなところで。
追記:http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20060721012.html

「プロのゲームの一部として、挑発的発言は受け入れられてきた」

「FIFAは、太古からサッカーの一部だった基準や慣習を窓から投げ捨てた」

 英国紙の反応がこういうものらしい。門外漢が思う以上に、挑発はサッカーのコアだったようだ。やはり日本も発声練習からはじめるべきか。いや、オシムは体格の違う日本が強豪国と同じサッカーをしても勝てないとか言ってたっけ。やはり独自路線。優雅で感傷的な日本サッカーを。