デスノート

http://www.nikkansports.com/entertainment/f-et-tp0-20060907-86641.html

デスノートの作者を逮捕!
 刃渡り8・6センチのナイフを所持携帯していたとして警視庁石神井署は7日までに、銃刀法違反の現行犯で漫画「DEATH NOTE(デスノート)」の作者小畑健容疑者(37)を逮捕した。

 だいたい何年も生きていると、スポーツ紙の見出しは信用しないでかかる。どういうオチかとちょっと想像して本文に入るのだけど、これは正真正銘の話なので驚いてしまった。桜玉吉の漫画などに職質されるエピソードが出てくるが、漫画家ゆえのカタギとは違った怪しさなどが注目されるのだろうかと思うが、天下の人気漫画家までこうなってしまうわけだ。しかし、8.6cmなど、手元の定規を見てみれば、大型の凶器とは言えないように思える。これを、何かのために車のコンソールボックスに入れておくくらいのことはよくありそうなものだが、そうもいかないというのがご時世なのかもしれない。「旅先でスクリーントーンを削るのに使う」などといういいわけは、無理があるか。漫画家で銃刀法違反というと、今回の件とはかなり違うが花輪和一を思い出す。小畑健があの絵柄で獄中記など描けば読んでみたいとも思うが、そこまでは絶対にいかないだろう。俺にとって小畑健といえば、『デスノート』より『ヒカルの碁』。俺が『ヒカルの碁』をどのように好きか語れば長くなり、また微妙なことになるので差し控える。一連の『デスノート』が撤去されたりしたら、いったいナイフ一本でいくらの損失がでるのだろう。田原成貴の比ではないように思える。
◆追記:http://www.sanspo.com/sokuho/0907sokuho021.html

小畑容疑者は当初、「キャンプ用に持っていた」と釈明したが、ほかの準備が見当たらず、同署は刃渡り6センチ以上の刃物の携帯を禁じている同法違反に当たると判断した。

 「キャンプ用」という釈明も通じないのか。「キャンプ用」というからには、今まさに向かっているところ、帰ってくるところでないといけないのか。たまにキャンプに行くから入れっぱなし、いつか行ってそのまま入れっぱなし、というのもアウトなわけか。厳密に法を適用していくと、日常感覚とずれてしまうようなこともあるし、一方からすれば別件逮捕に使えたりして便利という面もあるのだろう。まあ刃物を持ち歩かない方がいいに越したことではないが、たとえば木村一八みたいに「トランクから日本刀」(id:goldhead:20060329#p2)というなら逮捕もやむを得ないが、今回の小畑健のケースなど、逮捕が必要だったのだろうか。「こういうの持ってると、本当は法律違反になるからね、注意しなさいよ」と口頭でも注意するくらいでいいんじゃないのか。お巡りさんに注意されたら、それなりにかしこまるけど、俺なんかは。でも、口頭注意で済ませたらそのあと殺人事件、なんてことになったら誰が責任を負うのかという可能性もないわけではないわけで(小畑健がというわけではなく、一般論で。また、このケースだって小畑健と同姓同名で絵のすごくうまい別人という可能性だってあろう。ああ、でも、人気漫画家だからといって見過ごされる理由にはならないかもしれないな)、警察官もおおらかな気持ちにもなれないところか。うーん、それでも逮捕か。厳しいなあ、というのが率直な感想なのだけれど、世間的にはどうなんだろうか。