このごろの通勤路のこと

 このところ通勤路で何枚ものポスターを見るようになりました。三色旗、と書けば勘のいい方はおわかりでしょうか。青、黄、赤、というよりは、生シアン、生イエロー、生マゼンタ。なんとも目障りな配色です。女の人が二人大きく写っていますが、そちらの印象は残らないくらい。私は路地に植えられたり、置かれたり、勝手に生えてきている植物の姿が好きなのですが、そんなささやかな景色も台無しです。それで私、いったいいつまでこのポスターを目にしなければいけないのかと、しぶしぶ近づいて詳細を見てみました。そしたら、なんと2007年5月の演説会だかを告知する内容なのですよ。今から半年先だとしても15月すなわち3月、さらにその先の話です。おそらく、選挙の日程なども絡んだ戦略とは思いますが、これには驚かされるばかり。
 そりゃ私だって、この国には自分の家の壁なり塀なりにポスターを貼る自由はあると思う。そこで信仰や政治的主張をする自由はあると思う。それに、私が景観条例なりを定める立場にあるわけでもなく、色彩感覚において無謬というつもりもない。それでもですよ、このデザインのポスターを貼りっぱなしってのはねえだろうと、小声でちょっと言いたくもなるのです。もちろん、面と向かって抗議する勇気なんて、これっぽっちもありゃしません。ただ、ここでこうやって愚痴って、あとは、あのドン・キホーテを茶色の落ち着いた色に塗らせた元町あたりの人たちが、どうにか抗議しないもんかと無責任に願うばかり。くわばらくわばら。