いろいろ見ていたら、見ているだけで時間が過ぎてしまう。自分なりの整理。
- 問題の薬物は気管支拡張剤のようなものである。
- 出走時に体内に残留していると禁止薬物扱いになるが、日常使用には用いられる。
- ディープインパクトには治療を施すような状態になった、また日本でも同様の状態があり、治療もおこなっていた。
- フランスで当該の治療薬を処方したのはフランス人獣医である。
- フランス人獣医は投薬期間について適切な指示をしたと言う。
- 現実に、いつ、誰が投薬してしまったのかはわからない。
●疑問点
- 3.について。ディープインパクトに関しては過去類のないほどの取材が行われ、細かく細かく報道されてきた。このような持病の存在については伝わってこなかった。もちろん、マスコミがそこまで突き止められなかったという可能性だって十分にあるが。
- 6.について。陣営が内容に関してのコメントをしていないので不明。今朝のワイドショー「とくダネ!」などは、フランスの法(競馬規則?)においては、フランスのライセンスを持った獣医しか競走馬の検診、治療にあたれないので、投薬はフランス人獣医によって行われるほかない。ほかのスタッフ(接触機会のある人間として騎手、調教師、日本人獣医、フランス人獣医が表になって出てきた。しかし、厩務員や調教助手、委託先厩舍関係者などもっと多いはずだ。それらを疑え、という話ではなく、状況を検証するに不備じゃないのかと)が行えば、別の違反になる。→ゆえにフランス人の過失/陰謀というほのめかし。……競馬をコンテンツとして持つマスコミとしては最大級の擁護か。しかし、たとえば昨夜のNHKのニュース、報道ステーションなどでもフランスギャロのトップ級のインタビューを行い、悪意あるドーピングではないというニュアンスを引きだしていた。
いずれにせよ、投薬についてなんの過失もしくは故意の行為があった。そこが焦点。
______________________
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061020-00000034-mai-soci
東日本で競走馬の馬主権を売買する業者は「競走馬は血統(遺伝)が命で、特に心肺機能を重視する。健康に欠陥のある種牡馬に、いい産駒は生まれない。体調次第では、シンジケートや余勢株の価格にも影響する」と指摘する。
目下のところの焦点以外の疑問と妄想。ディープインパクトは気管支系に持病を抱えていたのか? ノド鳴り(みたいなの)を発症していたのか? 強靱な心肺系と同時に、欠陥をも有する馬になっていたのか? 日刊スポーツでは、今回の薬剤ではないが、同様の治療を日本でも行っていたと書いている。しかし、ディープほど注目を集め、密着取材される存在が、はたしてそれを隠し通せるものだろうか。それでも隠さなければならなかったと妄想しよう。すなわち、有馬記念での敗戦などよりずっと種牡馬価値に影響のある事実を、隠さなければならなかったのだと。
……ここから、「前哨戦を使わないローテ」、「競走時に残留していると薬物違反になる薬の使用」、「調教師までも寝耳に水の素早い引退表明」などに話をつなげられれば、なにかミステリーじみてくる。が、そこまでわからん。ただ、凱旋門賞で薬物が発覚、とは別の、何らかのきな臭さ、引退の不自然さなどが、浮かび上がってくるように思える。俺は競馬を愛するが、競馬の暗いところも愛する、そういう類のファンだ。まあ、陰謀論好きは俺ばかりではないのだろうね。発言の意図がなにかあったとしても。
引退後、ディープが種牡馬生活を送る「社台スタリオンステーション」(北海道安平町)の関係者は「競馬界では過去、第三者から薬物を盛られることもあった。競馬界全体で考えなければならない問題かもしれない」と苦慮する。