まだはもう、もうはまだ

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=horse&a=20061019-00000015-dal-spo

 「菊花賞・G1」(22日・京都)、反発気配の買い時だ。「人気落ちの今回が狙い目。株で言えばガツンと買うタイミングじゃないかな」。池江寿師が真顔でつぶやいた。

 昨日、菊についていろいろ考えてみたが、どうにもしっくりこなかった。そして夜、また、ギャロップの写真を眺めていて思ったのは、「フサイチジャンクはいい馬だなぁ」だった。ソングオブウインドもいいが、やはりフサイチジャンクはいい。ジャンクのような馬にジャンクという名をつけては酷いが、このピカピカの馬にジャンクとつけるのは効き過ぎた嫌味というくらいのもの。考えてみれば、皐月賞の本命をメイショウサムソンにする前は、クラシックをジャンクで行く、くらいの惚れ込みようだった(id:goldhead:20060318#p1)。ただ、テレビの馬でもあって、人気的に面白くなかった。だからこそ、師の言うように今回。人気落ちと言っても、オッズ的に過剰人気→まっとうな人気になるていどのものだろうが。
 とはいえ世の中、高馬が強いとは限らないし、見栄えがよければいい馬というわけでもない。菊で買う根拠がほしい。たとえば出走経歴はどうだ。おお、デビューから二千を使われているじゃないか。これはステイヤーのプロフィールにふさわしい。血統はどうだ。父サンデーサイレンス、ラスト世代の不調は言われるが、精子は元気だったと信じよう。母父はBellotto……ってミスプロの子だけど英ダービー三着で、産駒が豪州の二マイル重賞を勝ったりしている。いいんじゃないのか。ステイヤーなんじゃないのか。
 でも、ネックは兄タイガーカフェのイメージ、というのもあるけど、近二走。まず、前走は特に問題視しなくてもいいだろう。ステイヤーの叩き台なら六着で十分、出遅れ、落馬の影響もあった。しかし、ダービー。デビューから二千使っていても、最長距離の二千四百でズタボロではしょうがない。しかし、距離適性で負けたのか。否。慣れない美浦長期滞在、そして岩田康誠の府中適性。こないだの東スポに、鮫島良太府中初進出の記事があり、地方の名手も東京には戸惑うという。関西中心だけに、ダービーの大舞台で判断を誤ったということもあろう。それが今回はどうだ、京都も京都、淀の三千メートルはデルタブルースであっと言わせた舞台じゃないか。
 考えれば考えるほどフサイチジャンクがよく思えてきた。サムソンの相手にはぴったりじゃないのか。あとは、皐月、ダービーのときよりテレビのプッシュも少なく、ベテランファンが愛想を尽かすことで、人気、特に連勝式の人気が下がるのを祈るのみ。