姿を消した赤いエクスタシー

 エクスタシーレッド(ハーブ煙草)はおいしい。白やメンソールは問題にならないほどの濃厚さだ。1箱520円という、未来を先取りしたような価格設定を除けば、まさにパーフェクトな存在だ。朝か夜、あるいは朝と夜に吸う。1日平均1.5本だ。
 ……だったのだが、これが入っていた自販機二つから姿を消した。一つは中華街の関帝廟通りのタバコ屋の自販機、もう一つは伊勢佐木町のメーン通りの駅よりのチョコクロの喫茶店とそば屋の間の路地の自販機。
 吸っているタバコが消えるのは馴れている。最初はジタン120S、次はジョーカー。俺の世界は、吸っていたタバコが消える世界だ。すべての店は潰れ、家は消え、生き物は死に絶える世界だ。
 けど、輸入してるおおもとの会社のサイト(http://www.smartfood.co.jp/)見たら、ラインナップに変わりはないな。単に取り扱わなくなっただけか。どうしたものか、通販で買うにしたって5,200円もするんだぜ。はっきりいって、買いに行くのが面倒だから、切れたら切れたでいい、くらいのもの。そうでなければ1箱520円につきあえる財力はない。しかし、カートン買いしてしまえば、吸わなきゃいかん。というか、吸ってしまう。いやはや、まあ、しばらく白い方で我慢して様子見だ。