武士沢の二分三十秒

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2006/12/21/10.html

1頭強いけど、かみつけるように頑張る

 今年の有馬記念トウショウナイト武士沢友治に賭ける。なにか、そういう気になった。トウショウナイトで勝負になる、と。
 有馬記念はお釣りを競うレースだ。秋シーズンで余力を残しているものが有利。昔、清水成駿がそう書いていた。ならば、トウショウナイトは一見不適合にも見える。有馬出走で今年実に11戦目。しかし、レースの数だけが問題だろうか。8月に休みを挟んだあとから復調が始まり、ここが4戦目。しかも中身は北海道のオープン特別に、上がりだけの京都大賞典、そして谷間のハンデG2。なるほど、レベルを問えばたいしたものではないかもしれない。しかし、その分、お釣りがある。海外遠征やクラシック王道路線で消耗してきた馬たちに比べれば、はるかに楽をしてきた。それがここで活きてくる。もとより冬場に三連勝もあってこの季節は走る。ジリ気味と言われてきたが、京都大賞典では3F33.1の脚を使えたし、前走も立派に勝ち切っている。ここにきて、成長すら加味されるのだ。ここで買わずにどこで買う。関東馬に向けて吹き始めた追い風に乗って、このトウショウナイト中山競馬場を一刀両断する! 鞍上は確かに実績がない。しかし、石橋守が掴んだチャンスを、ここで武士沢が掴まないとも限らない。それに、顔が佐藤哲三タイプなのも心強い。
 哲三か……。実のところ「なにか、そういう気になった」というのは嘘に近く、「そういう気になりたい」のだ。あの有馬記念、ふと「タップダンスシチーで勝負になる」となにかが降ってきた有馬記念id:goldhead:20041221#p1)。哲三がファインモーションに喧嘩を売り、シンボリクリスエスに一泡吹かせた有馬記念。あんなことは、ほかになかった。また一度、あれを味わいたい。けれど、意識するところになにかは降ってこないのだろう。
 トウショウナイト以外はどうしよう。ディープインパクトは秋シーズン三戦目。フランス遠征という要素はあれ、レース間隔に余裕はある。前走の仕上げに比べれば劣ろうが、能力の絶対値はいまさらの話。もちろん、もう一つの軸にせざるをえない。ただ、一着に固定できるかどうかというと怪しいし、あえて据えたくない雰囲気はある。
 秋天マイルCSをブッコ抜いたダイワメジャー参戦はうれしい話。秋天後にJC行きの話も出たくらいだから、距離に対してはそれなりの自信があるやもしれぬ。ただ、この秋の三戦がよすぎただけに、また、同型も多そうなだけにどうだろう。
 その同型、コスモバルクも得意コースで侮れない。二冠馬メイショウサムソンは調子がどうなのだろう。太めが絞れない一方、春の疲れが抜けないまま秋に入ったという話も見たが。菊とジャパンカップで人気が急落したのならば狙いたくもなるが。
 難しいのは海外帰り。香港からのアドマイヤ二騎はちょっと厳しいように思えるが。逆に南半球帰りの二騎、それなりに間隔開いてどうだろう。ただ、季節の変化とか、大丈夫かな。取り上げるとすれば、中山不向きが明かな感じのデルタブルースより、ポップロックだろうか。
 あれ、まだいるな、同じトウショウのスイープトウショウ。もちろん侮れない馬だし、先行馬厳しいと読めば、ディープの後ろからズドンのプライド戦法とか。そしてそして、忘れちゃいけないドリームパスポート。多分、中山の方が府中より向くタイプ。有馬は騎手の乗り代わりにいいデータがないが、鞍上内田博幸となればまた別だろうか。
 なーんだ、かなり難しいな。というか、おとなしくトウショウナイトディープインパクト馬連、ワイド一点とかの方が潔いだろうか。武士道だろうか。オッズとか見て考えよう。