夢の対決!ディープインパクトvsシンボリクリスエスあるいはタイギャラント

http://www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20061228-135881.html

同厩舎のシンボリクリスエスの方がいれ込んでいるくらい。

 シンボリクリスエスってなんか気位高そうだもんな。まわりの様子からなにかを察知して、「ふざけるな、そんなチビより俺の方が上に決まっているだろう! なんなら走ってみるか! ペリエを呼べ、ペリエを!」とか怒りそう(武豊はよろこんで飛んできそうだな)。……などと、よしだみほ的想像をふくらませるのも楽しいし、たとえば中山二千五百で先行するシンボリクリスエスを捉えられたのかどうか考えてみるのもいいだろう。
 こう想像すると、今やディープインパクトは気楽な存在だ。ドリームレースの架空出走表中の存在になってしまった。もう、競馬場での怖ろしいアクシデントを想像する不安(id:goldhead:20061225#p3)もない。せいぜい、種付けのしすぎで健康を害さないようにと願うばかり。
 ……と、また不安症の鎌首もたげてこうささやく「ディープが種なしだったら、どうなるんだろうな?」。産駒が走る走らない以前の問題。ありえない話ではない。シガー、ウォーエンブレムメジロティターン、スプラッシュオブカラー。立ち直るケースもあるが、シガーのようだと悲惨だ。それに、少年のような雰囲気のあるディープインパクト、セックスと金だけにまみれた日々に絶望する可能性だってある。こっそり牧場を抜けだして、ホッカイドウ競馬の厩舍に潛り込んだりするかもしれない。しかし、ディープはダートを走れるのか。タイギャラントやトラックタカオーに負けたりして。そして、キャニオンロマンを見てなにを思う。大丈夫かディープ。いや、それより俺の頭は。
 まあ、そういうわけで、たぶん、競馬界もいろいろねじがゆるんでくると思う。良くも悪くもディープのテンションは高すぎた。元来のファンも落ち着きを取り戻すだろう。俺などはお祭り(を眺めるのが)好きの体質で、こんなにばんばん脹らむ風船、楽しくないはずがなかった。競馬知らない人もじゃんじゃん入ってきてくれてよかったと思う。
 ただ、ちょっと気になるのは、どうにもこのディープブームに否定的な競馬言論、これにニューカマーが鼻白んで競馬から去ること。踏み絵か試金石かわからないが、ディープに対してどう思うか程度で競馬ひっくるめてなにか決められちゃあかなわん。なんか話題になってて、レース見てみてスゲーって思ったら、それでいいじゃん。その人がゼロに近い競馬知識で「ディープは史上最強!」って言ったっていいじゃん。競馬歴一年より二年が偉いわけじゃないし、馬の名前を十頭知ってる人より百頭知ってる人の方が真の競馬ファンである保証は、どこにもない。ミーハーから入って、ミーハーのまま終わってもいいし、有馬とダービーだけ買うファンになってもいい。潮が引いたら水はなくなるが、砂は湿ってる。それをあえて乾かそうと寒風浴びせかける必要もない。日本の景気とともに衰退傾向は免れない日本競馬、せいぜいディープ以外にもこんなに楽しい、あれも面白いと、ビーポジティブでいいじゃないの。