『2番目のキス』

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 はじめに断っておくが、「松坂最高! これからはレッドソックスだぜ、ウヒョー」となってこのDVDを見たわけではない。そうなった人間から貸されただけである。でも内心、今までのどのメジャーリーガーが入ったチームより、ボストン・レッドソックスは面白そうだと思うので、いくらかはウヒョなのである。
 そして、もう一つこの映画について触れるべきことがある。ひどい邦題だ。どうもそういった一連のシリーズ的なものからついたっぽいけれども、これじゃあなんだかわからん。原題は『Fever Pitch』で『熱狂』って感じの意味で、なおかつPitchが野球に掛かっているのだから、なにかどうにかならなかったものか。今入ってきたのなら、別の名になっていたとは思うが。

 内容はというと、婚期逃しつつあるキャリアウーマンと、子供に慕われる教師の間のラブコメだ。ただ、その教師はチャーミングでナイスなやつなのだが、“神が造られた最低の造化物”である“レッドソックスファン”であり、その症状もかなりのもの、というわけだ。
 それだけでなんとなく内容に想像はつくだろうが、まあ想像通りなのだけれども、その出し具合がうまい。野球のない冬のあなたと、夏のあなた。それに、話し始めたら止まらないファン同士のレッドソックス話や小ネタ(「史上最悪のトンネル」のシーンはすばらしい)など、なんだかわかるわけではないけれど、そういうのってあるよな、という面白さがある。

 もっとも、もちろん主題は男女のこと。それについては何をか言わんや。たとえば、多くの土曜日、たまに日曜日の三時過ぎの俺はどうなっているかとか、そんなところである(以下、競馬ファンカープファンの俺入り交じる記述)。
 あるいは、何かのチームのファンである事への不理解。この映画の場合は女→男だが、それに限らず、わからんやつはわからんし、わかるやつはわかる。just a gameではない何か。この映画で男がさ、大切な試合を見ないでひどくする後悔するところがあって、その悔しさたるや想像で身震い。で、そんときに「君に23年間夢中になってたものがあるのか?」と。そうだよな、俺もカープファンになったのは幼稚園のころ(id:goldhead:20040930#p3)、それから数えたら25年じゃあないか。俺は25年カープファンで(ただし異邦のファンであって、温度は高くないかもしれない)、そりゃあ、それだけのもんだよ、と。「もしも巨人とすっかり選手が交換されたら、どっち応援するの?」とか言うなよってもんよ、なあ。

 というわけで、この手の映画にあんまり縁のない俺でもけっこう楽しめた。恋愛、レッドソックス、絶妙な配合。何かのチームのファンだと思うやつ、そういう人間に愛憎抱くやつ、観て損はないだろう。
 そういや思い出したぞ。たしか文春のメジャーリーグのコラムで、この映画と現実のリンクについて読んだことがあったな。いやあしかし、色々あるチームだ。その後あのひげ面がヤンキース行ってさっぱりしたとかも、また後々と思わせる。松坂大輔はえらく面白いチーム行ったな。よし、これから俺は、何かメジャー絡みのことについては、レッドソックスびいきでいこうっと、ウヒョー。
 あと、有名な人がまったく出ていない(野球選手除く。マツイも名前が出てきたよ)かと思ったが、ドリュー・バリモアって有名だよね。どりゅ。

ウィキペディアなど読んで勉強。おお、映画で出てきたいろいろのこと。先に読んでおけばよかったか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%BD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

レッドソックスを日本の球団のどこかに例えるとすれば、おそらく阪神タイガースだろう。で、あのマイク・グリーンウェルは“ミスターレッドソックス”とも呼ばれる選手だったという。太平洋をまたにかけた、壮大なネタ球団(失礼)によるネタであったのか……。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB