長崎市長選の意外な結果

http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070423-188532.html

「率直に言わせてもらえば、長崎市民の方々、父伊藤一長は、その程度の存在だったんですか! 残念です。父が浮かばれない。愛する長崎にこんな仕打ちをされて…」

 このシーンを朝のテレビで見たけれど、「それをいっちゃあ……」と思わざるを得なかった。もちろん、この一幕だけを見て伊藤元市長の娘さんや娘壻さんを悪く言えるわけもない。だいたい、ただ肉親を亡くしただけであっても大事なのに、選挙期間中に射殺という、このうえなく大変な状況。さらに自分の夫が出馬とあっては、尋常な精神状態でいられるわけもない。その極限状態のギリギリのところで思わず出てしまった言葉なのだから、これだけをもって「やっぱり世襲制のような弔い合戦の勝利でなくてよかった」とは言いにくい。ただ、極限状態で出た言葉だからこそ本心、とも言えるかもしれないが、やっぱり状況を考えてスルーしてやるべきじゃないかとも思うのだ。といいつつスルーできないくらいのインパクトはあったので、こうメモしてしまうが。
 しかし、俺はもうこの選挙、横尾誠氏の圧勝と思っていた。田上富久さんの出馬には拍手をおくりたいと思ったが、まさか勝つとは。ただ、事前投票も含めた「伊藤名義の票」の問題もあって、なかなかスッキリとしないものはあるか。
 そうだ、事前投票分の扱いはおかしいように思う。競馬に例えて恐縮だが、馬券を買ったあとにその馬が出走取り消しになって、レースにすら参加しないのに金だけ取られるというのはいかにもおかしい。選挙の一票は金より重い一票かもしれないのに。さらには、伊藤元市長と関係なく、「最初のメンバーなら前川智子さんだったが、最後のメンバーなら田上富久さんがよかった」という考えだってあるはず。仕切り直しにするのはコスト的に大変なことなのだろうけれど、あまり多く起きる事例でもないはず。ちょっと考えた方がいいのではないだろうか。
 まあ、いずれにせよ田上富久さんはこれからが勝負。ヤクザによる行政対象暴力の対象は、結果的に首長に向いたが、本質的には市長個人スキャンダルなどではなく、役所の金が目当て。その後を役所の中からの人が出てきたのだから、またいろいろあるやもしれぬ。そこんとこを気をつけて頑張っていただきたい。