ダスビダーニャタワリシチエリツィン

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070423-00000143-mai-int

ロシアのボリス・エリツィン前大統領が23日午後3時45分(日本時間同8時45分)、心血管不全症のためモスクワの病院で死亡した。76歳だった。

 今朝のワイドショーで何かの評論家が言っていたが、ロシアは振り子のように振れる国だという。エリツィンであっち振れすぎた結果、今度はこのプーチンだ、ということなのかもしれない。むろん、俺などは佐藤優でもないのだから、ソ連、ロシアの上層部の内幕なんぞは知らない。印象に過ぎない。
 庶民の印象として、俺の中のエリツィンは「アル中」だった。「ロシアにウオッカがあるのではない。ウオッカあるところがロシアである」という体現者だった。と、同時に、俺の中で灰色の雲、雪、暗い人々、そんな幼児期以来のソ連=ロシアの印象をかなり変えた人物でもあった。もちろん、単なるアル中がロシアの頭にはなれない。でも、どうも最後の方はそういうイメージが大きかった。あるいは最初からか。
 あるいは、いしいひさいちの影響も大きいか。いしいひさいちの産んだ数々のキャラの中でも、エリツィンはかなりのものであった。ちょっと一つ引用してみようか。引用もとは『[rakuten:book:10529741:title]』(1995年文藝春秋)149ページ。うーむ、身も蓋もないアル中扱い。ひょっとしたら、俺のエリツィン像は、なによりもいしいひさいちの影響が大きいのかもしれない。俺が文字を覚え始めたのと同時に接した漫画家なのだから仕方ない。
 とはいえ、エリツィンについてはいい言葉がある。松岡正剛の『情報の歴史』(ISBN:9784871884433)の1991年(p.433)小口のところの一言名言欄より。

共産主義は素晴らしい理念だが、現実的ではない。そのことを証明する実験は、どこかほかの小さな国で行われていればよかったんだ。 エリツィン

 そうかもしれないな。でも、なんでかわからんが、今ロシアはまたまた怖い国になりつつあるぜ。俺としては、またの揺り返し、ちょっと振り幅の減ったのくらいを期待したいな。