年俸減、結構なことではないか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070514-00000076-mai-spo

プロ野球年俸調査>前年比5.3%減少、かつてない大幅減

 われわれ庶民の収入と比べれば……など言うのはナンセンスだ。しかし、だからといって年俸右肩上がりの青天井がいいということはない。ものごとには身の丈や適正価格がある。那須野巧投手の件(id:goldhead:20070411#p2)で裏金のでかさが具体的に明るみにでたが、もっと明るい垂れ流しが年俸かもしれない。推定年俸というのはかなりアテにならないけれど、目安にはなるだろうし、選手会の調査ならなおさらだ。ともかく、プロ野球の収入が右肩上がりではないのに、年俸が上がり続けるのはおかしかったのだ。
 しかしまあ、だいたいマスコミやわれわれの金銭感覚が狂っていた可能性もある。俺が子供のころから比べても、年俸ってのは上がっていくものだった。年功序列じゃあないけれども、マイナスという発想はなかった。一億円プレーヤーが産まれたら大ニュースだが、やがてごろごろ産まれて、次は二億、三億と。
 だが、ちょっと待ってほしい。と、思ったのが黒田博樹フリーエージェント問題のとき(id:goldhead:20061108#p2)。「金を蹴ってチームを選んだ黒田の男気!」という論調一色。それはある意味正しい。正しいけれど、「出来高抜きで単純に割って年俸二億五千万円」の年俸って、日本プロ野球の水準としては相当に高額で、決して黒田の実力に見合わないものじゃないでしょうよ、と。
 このあたり、やっぱりメジャーの影響もあるだろうか。よく、松井秀喜松坂大輔の年俸を引き合いに出して、「彼らはこんなに貰っているけれど、メジャーの全体から見ればたいしたことないんですよ」的な紹介をしている。そりゃあそうだ。そうだけれども、そりゃあ、そうなんだから、いくらそういったところで、そんな話にはならない。
 だからもう、一攫千金の夢、というと生臭いが、より高いレベルを求める選手がメジャーに行くのは仕方ないこと。もしスポーツとしてのレベルが変わらんとしても、市場規模が違うの事実。これはもう仕方ない。その上で、身の丈を見つめて、地道に右肩上がりか現状維持を目指すしかないだろう。
 そういう意味で、ここんところの特待生問題、高野連のやってることは甲子園の宗教的な熱、ビジネス的な熱(……これと裏金の折り合いというか、兼ね合いというか、どこをどうするかは問題だが)に、冷や水ぶっかけるような気がしてならんが、またそれは別の問題ということで。