前田が笑った!

http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/Cw200707210089.html

 七回、代打で出場。ソフトバンク・馬原の内角低めの148キロを強振した。「まさか入るとは」。手をたたき、ガッツポーズでダイヤモンドを回る前田を、地鳴りのような歓声が祝福した。

 残念ながら試合は見られなかった。が、その後のニュース番組はほぼ完全はしごしたので許してくれ。フレッシュオールスターの‘ノミ’中東直己のMVPに続いて、前田智徳本塁打と優秀選手賞。真っ黒でじめじめとした空気の中にあるカープに少し風が吹いたか。中東は手首を傷めてしまったが……。
 で、前田、前田だけどさ、公式戦でもたまにはこういう風にしてくれ。いつもじゃなくていい。たまにだ。なんだか、周囲が見る孤高の天才のキャラは、彼自身の本質と決して遠くないものではあると思うが、その視線が彼を必要以上に縛っているようにも思う。そこをある程度、解きはなって、もっと自由自在に、融通無碍に。この本塁打で見せた表情もガッツポーズも、作ったものではないはずなのだから。
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 オールスターの試合自体も面白そうだった。ダイジェストでいいとこ取りを見たのだからそう思うかもしれないが。落合監督の一イニング一投手なんてのは、まさに夢の豪華リレー。いつも一イニングをしっかり抑えるのが仕事の投手が、九人並んだらどうなる? なんてのは、なかなか興味をそそる話じゃないですか。いや、全員が全員抑えではなかったけれどさ。先発完投タイプの黒田が三回だけ投げても、先発完投感は出ないし、これはありだったと思うな。ただ、先発は上原でなく、黒田でも……と思ったが。まあ、その上原のスローカーブ、何か直球勝負だけが勝負扱いされてるオールスター、ひいてはプロ野球の風潮をおちょくるみたいで、嫌いじゃなかったな。ああ、でも、ダルビッシュ有vs小笠原なんてのは、かなり来ている感じがしてよかったけどさ。