風に乗るものは何か?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070722-00000906-san-soci

 新潟県中越沖地震風評被害が夏本番を迎えている観光地を直撃している。新潟県旅館組合によると、地震以降約2万人が宿泊予約を取り消した。

 地震に余震、そして柏崎刈羽原発に関する風評被害によって観光地大打撃の報。この風評というやつはとても難しい。根も葉もない風評ならともかく、今回は地震があり、近くの原発でトラブルが起きたのは本当だ。その「本当」は、科学的な放射能の測定結果や、県知事が魚を試食することによって、容易に覆されることがない。
 科学的に測定し、安全性が認められるのに、それを信じないのか? という物言いは成り立たない。仮にこの地方への旅行を計画していた人がいて、その人がその科学的な安全性を信じたとしよう。信じたとしても、わざわざあえてそちらを選ぶかどうか。家族をそこへ連れて行こうと思うかどうか。観光地の経済、漁民の生業にとっては、それこそ生活がかかったものだが、観光客にとっては「たかが一夏の旅行、旅先」であることは否めない。
 カキのノロウイルスid:goldhead:20061218#p2)や、不祥事を起こした食品メーカー(id:goldhead:20070112#p2)と、これもまた似たものだろう(後者はちょっと違うかもしれない)。
 そして俺は、毎度この種のことはどうにかならないか、と思うわけだ。でも、じゃあお前はどうなんだ、と問われれば、できるだけケチの付いていないものを選ぶ。当たり前だ。こと嗜好や娯楽のものに関して、ユーザーに義侠心を求めるのはお門違いだ(もちろん、「大好きな観光地(メーカー)のために、あえて俺は選ぶぜ」という心意気を否定するものではない)。また、いくら科学や統計に対するリテラシーを高めたところで、それが何だという話だ。結局のところ、こういった商売は、移ろいやすく気まぐれな人々の心に左右される存在でしかないのか。どうも、そうっぽいな、でも、どうにかならんかな、みたいな、さ。むむむ。