はえぬきには頑張ってもらいたい

 ジタン120S、そしてジョーカー。俺はタバコを吸い始めてから、二つも愛煙する銘柄を失った男だ。喫煙歴五十年というわけでもあるまい、結局十年に満たない間にだ。別に無くなりそうな銘柄を選んだわけではないのだ。気に入って吸っていたら無くなったのだ。トラウマに近い。ところでタバコ、いつ最後に吸ったのか思い出せないくらい吸っていない。禁煙でなく忘煙だ。エクスタシー(ハーブタバコ)は高いし、もう吸うものはないのかもしれない。
 そういえば、NUDAは定着しただろうか? あんまり見ないような気がする。俺は無味無臭の炭酸水が好きなのだ。でも、コンビニの棚に何かしらの炭酸水はある感じになったが……、はたして。
 そして俺は硬い米が好きだ。「刑務所って案外よさそうかも」と思いながらも、「米がべちょべちょ」という記述を見ただけで、「やっぱり刑務所は嫌だ。真面目に生きよう」と思うくらいだ。炊き方の問題だけじゃあない。こしひかりは嫌いだ。きらら397が好きだ。しかし、そのきららの生産量は落ちている。またか、と思う。
 きららは、俺の好みに合っている上に、安いのが魅力だ。しかし、俺の行動範囲で売っていないのが玉に瑕だ。通販では安値のメリットを消して悲しい。そこで目をつけたのが、はえぬきだ。はえぬきは硬めだと、ダイエーの米売場の表が語っていた。
 俺ははえぬきを買った。買って炊いた。いいぞ、いい感じだぞ。そして食った。いいじゃないか、はえぬきいいよ、ビューだよ。
 が、ここで悲観の鎌首がもたげる。「はえぬきも無くなるんじゃね?」と。ウィキペディアによれば、やはり一般人気というより業務用人気、ここらあたりはきらら397に似ているような。はたしてどうなのだ、はえぬき。
http://ineweb.narcc.affrc.go.jp/index.html
 というわけで、こんなときは独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所のイネ品種・特性データベース検索システムを使うのがネットの常識だろう。三代血統表まで見られて便利だ。さて、それに「はえぬき」とぶち込んで検索。作付面積を見てみよう。種別順位でトップテン入りした1997年に32,649ha(作付比率1.9%)だったのが、2005年には45,359ha(3.1%)に拡大。生産県も山形県が圧倒的なのは変わらないが、秋田、新潟、香川、大分などの名前も見られる。右肩上がりじゃないですか。この株買いたい!
 ……というわけで、はえぬきを応援したいと思う。はえぬきならやってくれるんじゃないかと思う。俺の負けぐせ(何に対して負けてるの?)をどうにかしてくれるんじゃないかと思う。あと、セブンイレブンのおにぎりをより一層買いたいと思った。それと、こんなことでいちいち独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所のイネ品種・特性データベース検索システムを使うのはネットの功か罪がわからないとも思うのであった。