掻痒大戦略

 凡そ乾燥肌対策は勇猛果敢、常に攻撃精神を以て一貫すべし。保湿に方りては果断積極機先を制し、剛毅不屈、乾燥を撃碎せずんば已まざるべし。入浴又克く保湿の鋭気を包蔵し、必ず主動の地位を確保せよ。皮膚は壞死すとも乾燥に委すること勿れ。再塗布は断々乎として飽く迄も徹底的なるべし。勇往邁進百事懼れず、沈著大胆難局に處し、堅忍不抜困苦に克ち、有ゆる障碍を突破して潤い肌の獲得に邁進すべし。

頭皮戦線

 昨日あたりから、頭がかゆくなってきた。フケは出ていない。毎朝のシャンプーを欠かさない俺に何が? ……と、乾燥肌を調べるうちに類推くらいはできるようになった。要するに、清潔のためのシャンプーがあだとなり、必要以上に脂質を取り去ってしまっているのだ。現在使用しているのは、なんとなく安くてものすごく久しぶりに買った「スーパーマイルドシャンプー」。シーブリーズなどの強力なものでなくともこうなのだから、事態は深刻だ。しかし、事態を正確に把握している(と思いこんでいる)のは好材料。「かゆみ死ね!」などとスーパークールに攻めては自壊確実。
 まず考えつくのが、「せっけんシャンプー」。

 さしたる必要もなく買って、とくに使い続けることのなかった「せっけんシャンプー」。ひょっとしたら、今の頭皮に必要なのはこれではないか。あるいは、「ごま油シャンプー」。これはドラッグストアで見つけて、これまた興味本位で買ったもの。小さめの容器で一本600〜800円ではなかったか。あれもどちらかといえば、髪がべっとりする系統のものであり、頭皮に対しては現在の要求に合致すると言える。
 また、ヘアトニック類も必要になるか。サクセスのような、さわやか爽快、脂分消し飛ばし系ではなく、乾燥に向いたオイリーなものも存在するようだ。いわゆる、オッサン臭さ丸出しのような香りのものになるのだろうか……。

身体戦線入浴編

 輜重こそが現代戦の、否、戦の要なれば、さっそく通販でナチュラル保湿系石鹸の試供品的値段の物を二種類も買い求めた俺。現在使用しているボディシャンプーはモイスチャーミルク溢れんばかりのダヴであって、ダヴの性能に疑いは持たないが、できるだけナチュラルに攻めたいし、また、文字通りの「せっけんシャンプー」目的でもある。幸いにも、髪を短くしたばかり。また、肌に優しいボディタオルも購入。
 乾燥肌がらみのサイトなどを次から次に見ているに、「日本人体洗いすぎ論」などもあって、そんなにゴシゴシ洗わなくてもいい的な話も多い。極端な場合、せっけんやボディシャンプー不要や、毎日入浴しなくてもいいといった意見も目にする。ただ、俺は砂漠やジャングルの探検旅行に行っておいて、「ねえ、もうアタシこんなのイヤ! いい加減お風呂入りたいわ! シャワーだけでもいいから!」とか言って勝手な行動をして変な化け物に最初に殺される馬鹿なアメリカ人の娘なので、それは耐えられない。ゆえに、妥協する。愛用ボディタオルでガシガシ洗うのは、冬季の間凍結。手洗いベース、たまにボディタオル(やさしめ)という方向でいく。
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 また、秋に使っていたこのビオレのボディシャンプーの再評価も必要かも知れない。これはまだ乾燥肌になる前のこと、やはりなんとなく見たことのない製品があったから買っただけのこと。これに関して、使用時の評価はひどいものだった。なにせ、洗い流してもなんとなく肌がぬるぬるしている。そのうえ、ユニットバスの排水口に泡が詰まる。最初は配水管の問題かと思ったが、せっけんを使った場合はすんなりと流れる。ゆえに、こいつの泡の粘り気が原因。そんなわけで、「とっとと使い終われ、次はお気に入りのダヴにしてやる!」という思いで使い切ったのだが、実はそのぬるぬると粘りこそ今必要なものではないか。むしろ、これの使用によって乾燥肌の発症を食い止めていた可能性すらある。もし再度これを購入した場合、せっけんの方はヘア専用に回そう。

身体戦線入浴後編

 メンソレータムADはしっかりと務めを果たしてくれた。が、浮気性ゆえに別の保湿ローションに手を出した。【第3類医薬品】ムヒソフト 乳状液(120mL)【ムヒ】
 かゆみといえばムヒ、ムヒソフト乳状液である。テレビコマーシャルでも放映しており、皮膚の体質改善のようなことをうたっていたような気がしたのが気になったのである。数回使ったが、こちらもきちんと務めを果たし、朝塗れば日中のかゆみをおさえ、夜、電気ストーブの前に居て発疹が出た場合も、塗布によっておさえることができる。また次買うかどうかはわからない。また、あまり症状の出ない箇所(太腿より下)のために、ベビーオイルを再購入。また、ワセリンなども買って(ボクサーがどんなの塗ってるのか気になったので)、さらなるそなえも万全である。

総括

 というわけで、正直言って、乾燥肌との戦いを楽しんでいる。情報収集、対策検討、武器購入、実戦、敵撃砕! ……と、そのプロセスが面白い。その上、普段はかなり厳重なリミッターが働いている物品購入についても、緊急事態ゆえにかなり財布のひもはゆるくなっている。買い物は、もちろん面白い。
 と、一種の病気を面白いといってはなんだけれども、自分の場合はまだ深刻でないというのもあるだろう。発疹が出ても、ひいたら痕はまったく残らず美肌復活、頭にしたってまだ我慢できる程度。おまけに冬さえ乗りきればどうにかなるだろう。
 ……たぶん。