ステロイド問題といっても、大リーグを揺るがしているのか揺るがしていないのかわからないドーピングの話でなく、皮膚に塗る軟膏の方の話。蕁麻疹の診断を受けたときに、二種類の飲み薬とともに、軟膏ひとつ処方されたのだ。名前はヒズボットクリーム。○劇印がついている。
うーむ、処方目的・適応の項目を読んでいるとゾクゾクしちゃうな。どうも俺は、皮膚の病に大きな恐怖心を抱いているようだ。いや、誰だってなりたくないだろうけれども、自分の中で他の病気に比べて……というところ。見た目にこだわるほどの造りか？ いや、いいじゃないか。
で、俺が蕁麻疹と診察され、蕁麻疹の特長を聞き、ひどく安心したのもそのあたりだ。そうだ、特長だ。あの医師先生は特徴というより特長と言わんばかりの説明をしたのだ。たぶん、ストレスを与えないための配慮と思うが、俺はそれに進んで乗ったのだ。俺はこう思ったのだ、「そうか、皮膚がどうかなっているのではなく、中の方の問題だった。きれいさっぱり消えるんなら、ぜんぜん我慢しちゃえますって！」と。でも、出てる間は外面の問題だけどな。
それと、自分の場合、かゆみがあまりないのが、ありがたいところだ。あまりかゆくないから気づくのに遅れるくらい。とはいえ、蚊に刺されたくらいのかゆみもまれにある。かきむしって皮膚に傷が付いては、せっかくの蕁麻疹の特長も台無し。となると、そういう場合は軟膏ということになる。それがヒズボット。それがステロイド軟膏。「気休め（根本治療じゃない）だけど、一応出しとくから」って言われたっけ。Very Strongだけどな。
というわけで、ステロイドだ。ステロイドというのは賛否両論あるような薬……のようだ。知り合いに皮膚のトラブルを抱えた人がいて、最初の医師にステロイドを処方されるも改善があまり見られない。それで、別の皮膚科を適当に探して行ってみたら「ステロイドなんか塗っているからだ」と言わんばかりに反ステロイド説教。進めてきたのは注射と食事および禁化粧、禁化学的成分入りシャンプーなど。ステロイド連続使用に怖さもあったとかで、しばらくそれに従うも、よくなる兆候無く、第三の医師に。今までの経緯を話したら、即座に「二番目の医者って○○さんでしょう。あの人のは宗教だから」といきなり言われて腰を抜かしたという。それを聞いて俺思う、医師の間でそんなに見解の分かれるものがあっていいのかね。
……と、今、その○○医師について検索したら、斯界では有名な人のようだ。そこから入って、ステロイドを巡る賛否両論（とくにアトピーの人にとって大きな問題のようだ）を読むに、これはもう軽い慢性蕁麻疹になりたてほやほやの人間にとっては手に負えない領域。どうこう言えたものじゃあない。
が、自分のささやかな症状とステロイドについて決断を下す必要はあるか。「別に使わなくても気になるほどじゃないから、今は使わなくてもいいや」で、一つ。ともかく、それほどかゆくないし、出るのは決まって夜おそくなので、日中人と顔を合わせるときはきれいなもの。それに飲み薬の方も抑えてくれているようだし、今はステロイドいらず。もしも、えらくかゆくなったら……たぶん使うと思う。それは俺がステロイドを怖がっている俺を知っているからで、その怖がりを知った上でステロイドを使える範囲なのであれば、ステロイドは使うに値するように思えるのだ。問題は、怖がっている自分の怖さを忘れるほどのかゆさになったときで、その時はいろいろ検討が必要かも知れない（蕁麻疹でそこまでかゆくなるのか知らない）。あるいは、その怖さが増大して反ステロイドになったら、それはそれで再検証が必要だろう。
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しかし、いろいろな皮膚その他の問題に悩む人の体験談など見るにあらためて思うのは「過度のストレスは体によくない」とか、「規則正しい生活が好ましい」とかの、当たり前のこと（あるいは「ナチュラルなものが好ましい」というもの。これは実感するところもあるが、一歩向こうに光りすぎてる闇があって慎重に扱いたい）。ここのところの俺はタイムカードに午前四時とか五時とかが押されるような感じで、まったくもってよろしくない。とはいえ、こうでなくては生きられないのだから、それは仕方ない。年度末とともによくなりますように。
