リハビリに鶴見川を行く75.4kmの旅

 なぜ俺はすっかり自転車でどこかに出かけなくなったのか?
 一つにはパンクというありがちなアクシデントによって「自転車めんどくさい」の気持ちが強くなったこと。もう一つは、慢性蕁麻疹と、それと同根ではないかと医者に言われた咳。
 とはいえ、パンクは直したし、蕁麻疹も寝るときと明け方以外はかゆみすら感じない。咳も日中はたいしたことはない。さらには、「アルコールで体の中の人たちを忙しくすると蕁麻疹を出すひまもない仮説」を援用して、「自転車で身体を動かして疲れれば、蕁麻疹を出すひまもな仮説」にチャレンジしてみるのも悪くない。
 そういうわけで、俺は自転車を漕ぐことにした。行き先はどこがいい? リハビリには? サイクリングロード。いきなり江戸川は遠いので(おそらく入り口に行くことすらかなわない)、近場の、そうだ、鶴見川サイクリングコースというのがあったはずだ。




 花などが咲いていた。畑の端っこに植えられている花の風情は好きだ。ありがちなものでいい。



 ススキといえば『洗濯屋ケンちゃん』である。そういえば、鶴見川沿いでも野エロが見られるという話ではなかったか? 野エロどこだ、野エロやーい、と分け入っても分け入ってもありはしなかった。というか、分け行ってそこにあったらどうするんだ。

 俺はカツ丼があまり好きではないのですが。

 おまえらは野エロとカツ丼どっちが好き?

 おっさんは?

 新横浜の日産スタジアムあたりから登りはじめて、いったいどこが終点なのかよくわからない。青葉区役所を通りすぎて、川崎市に入ろうというところで止まった(今調べたら、おおよそ終点だった。「鉄町」という地名のあるところがどんなところか、ちゃんと確かめてくるべきだった)。止まってコンビニでおにぎりと惣菜パン二つ、そしてヘルシアウォーターを買った。出発時に買ったアクエリアス一本と合わせ、これが今日のサイクリングで口に入れた全てである。夏に比べると、なんとも金がかからない。
 そらがドカーンとなってる前でそれを食った。近くの橋の下では、管弦楽器の練習をしてるやつがいて、ジブリのメロディの断片と、「あの素晴らしい愛をもう一度」の断片が聞こえてきた。悪くない。



 凧あげする爺さんと孫、解体されるビル、黄金世界。
 やがて行くところは真っ白なのか、真っ黒なのか。今から考えたところで詮無いことだが、俺の希望はといえば、寂光に包まれたい、黄金の世界に行きたいと思う。
 結局、来た道を下って、日産スタジアムを通りすぎて、さらに下った(さらに下った箇所は鶴見川サイクリングコースではないらしい)。三ツ沢のあたりの坂から逃げて第一京浜の方から帰るためである。とはいえ、それもそれで迂回なのだけれども。
 昼近くから出て、帰宅するころにはすっかり暗くなっていた。鶴見川サイクリングロードの総延長が大した距離ではない(11.8km)ので、行き帰り30kmていどかと思っていたら、案外かかってしまった(まず入り口までの距離*2を思い浮かべるべき)。
 鶴見川のコースはおおむね走りやすかった。一般道との交差もきちんと橋の下をくぐらせてくれる。途切れて迷うこともない。歩行者が多いのも一部区間だけで、全体的にやや狭くはあるも、そんなにガンガン飛ばさない分には問題ないだろう。
 カメラについて。背中のドイター・トランスアルパインからブラックラピッドつきのアルファ550を取り出すのが面倒なものの、すばらしいブラックラピッドもスポーツ自転車の姿勢向きではないので、外してしまった。これで出し入れは簡単になったが、今度はカメラを手にして、ちょっと5mとか動いて撮ろうというときに、握力を消耗してしまう。というか、危ない。ハンドストラップみたいなものを探してみようか。つーか、サイクリング時は小さいカメラかiPhoneでよくないか? いや、しかし。
 自転車の方はといえば、パンク前に自転車屋で見てもらったばかりだったし、手入れだけはちょくちょくしていたので快調だった。今日は意識的に重めのギアで走ってみたが、それなりである。ほとんどこの冬にDEFY1買うつもりでいたが、給料もきちんと出てないし、ほかにほしい物もあるし、あと一年はESCAPE R2でいいや。それに、1日200kmもクリアしないと。


おまけ↓ つーか、いつも同じところで同じ物見てるんだな、俺は。

前もここ通ったな、反ファツズム。 http://twitpic.com/3ajgipless than a minute ago via Twitpic

いつかここを通ったな。 http://twitpic.com/3alj0yless than a minute ago via Twitpic