定年まで8年を残していた笹倉師が2月で廃業し、松元省師と福島勝師も定年前に引退した。かつては厩舎がつぶれることなどあり得なかったが、04年から成績によって馬房が増減されるメリット制導入をきっかけに安泰神話は崩壊した。
http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20080304-331030.html
記事にもある笹倉師廃業のニュースの際にも触れたが、俺は調教師が廃業するのは当然と思う。騎手だって成績がふるわなければ鞭を置く。それになにより、馬たちこそが日々生きるために戦い、そして淘汰されていく存在。なのに、なぜか調教師だけが安泰神話の中で生きられるのか。別に、成績がふるわなければ廃されるべきだ、とまでは言わない。「なんでこの厩舎は成り立っているんだ」というような存在があっても面白い。ただ、それは、もっと新規参入や出入りが自由であって、彼がつかえているために、新しく、やる気と能力のある人の門戸を閉ざす一因になっていない場合だ。残念ながら今の日本競馬はそうではない。一度敗れた調教師の再起の道がなさそうなのもおかしいが、それでも淘汰はあるべきだろう。
が、しかし、メリット制というのはちょっとよくわからないところがある。優秀な成績をおさめた調教師にご褒美で馬房がたくさん与えられ、また勝ち星を伸ばす。逆に成績の上がらない厩舎は馬房を減らされ、さらに成績は下降する。
これ、たとえば、プロ野球にたとえればどういうことになるだろうか。強いチームがよりすばらしい選手をFAやドラフトで獲得し、よりいっそう強くなる。一方で、弱いチームは資金難で主力選手をFAで流出させ、有望選手獲得へも動けない。……って、どこの広島の話だよ。不愉快だ、もうやめる!
……と、キレてみせたものの、「球団の安泰神話」、そして広島オーナーの問題という、かなり危ういラインへ突入してしまうことは明白なのだよね……。