「昔からクルマとチームはドライバーよりも重要だったが、私がレースをしていた時代には、少なくともひとつ確かなことがあった。速いドライバーは誰と誰なのかがハッキリしていたんだ。今はそれが明確ではない。グリッドの上から3分の2にいるドライバーを適当に選んで、速いクルマに乗せれば、それで勝ててしまうんだ。昔はそうではなかった」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080304-00000001-rcg-moto
アラン・プロストの現役を辛うじて知っているくらいで、現在のF1にはちょっと明るくない、古くて浅いミーハーファンが、プロフェッサーの威を借りてつべこべ言うのは、あんまり面白くないこととは思う。しかし、やっぱりプロスト先生が言うのならば……と、ひさびさに[F1]カテゴリなどくっつけて二言三言。
「チャンピオン級のドライバーが二流チームの車に乗ったら?」、「いつも周回遅れのあいつが、チャンピオンチームの車に乗ったら?」というのは、門外漢や初心者にも気になるところ。俺も気になってきた。セナがミナルディ乗ったらどうなんだ? とか、ピエルルイジ・マルティニがマクラーレンに乗ったら? とか。どこまで人で、どこからマシンか。
って、ちょっとだけ答えを見たこともあるか。最強ウィリアムズの後のアロウズ、デーモン・ヒル。ヒル、こないだちょっとテレビに映ってるの見たけど、白髮と髭でえらく老けて見えたっけ。えーと、それで、見せ場は作ったけど、やはり一年間戦ってトップクラスにランキングされるかというと、そうはいかない。……と、まあ、結局よくわからん。条件条件違うしな。つーか、俺が見ていたころだって、十分に「早いマシンが勝つ」時代だったか。リアクティブサス!
ここらあたりの人と何かの関係というと、たとえば競馬や競艇なんかにもある話。競馬であれば、試行数も乗り代わりも頻繁であって、また、案外名馬に非一流騎手、なんて組み合わせも見られるし、逆に人気薄になぜか武豊、なんてのも見られる。アジュディミツオーに佐藤裕太が乗るのと、ドリームパスポートに高田潤が乗るのとでは、どちらが結果を出すかとか、まあ、まったく関係ないのだけれども。
で、競艇となると、開催ごとに艇とモーターを抽選するわけで、「人とマシンの組み合わせをシャッフルすれば?」ってのに対する、一つの答えだろう。これをF1でやって面白いかどうかはわからんが、一レース見てみたい、という気はするんだけれども。まあ、ワンメイクレースというのにはあんまり魅力を感じないような気もするわけで、マシンにはマシンの人格というか、キャラというか、またそのあたりも見どころだしなあ。技術発展も見どころだけど、発展しすぎは面白くない、かといって昔に戻せば安全性なんかもあるやろうし。
と、世の中のものすごいお金が集まるところの偉大な頭脳たちがいろいろ考えて、いまいちわからんところに落ち着く類の話を、俺などが考えても無駄な話ではあるが、しかし、マネーゲームやパワーゲームと無縁に、レースの魅力を求める熱心なファンの方が、ファンにとって魅力的なレギュレーションを考え出せるんじゃねえかとか、リジェの車体くらい青臭いことも思うのだけれど。