アドマイヤキッスの死

 重賞4勝馬アドマイヤキッス(牝5、栗東・松田博)が4日、午前3時ごろに突然のせん痛(腹痛)を起こし、馬房で暴れて死んだ。

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20080305-331470.html

 活躍馬のショッキングな死亡のニュース。いつかは牧場に帰ることのできる権利を十二分に有する馬だけに、悲運の死としか言いようがないだろう。骨折もあって、あるいは引退も近かったかもしれず。
 ……と、書いておいてなんだけれども、アドマイヤキッスと聞いてはじめに頭に思い浮かぶのは「桜花賞を勝ったほうだっけ、勝たなかった方だっけ」。すなわち、アサヒライジング一本であったこの世代の牝馬キストゥヘヴンとこんがらがってると、正直に告白せねばならない。毎日競馬競馬と競馬に目の色変えている俺だけれども、しょせんこの程度。
 ただ、古い記憶には妙な強さがある。このアドマイヤキッスの母キッスパシオン、「先週の土曜のメーン走ってなかったっけ?」という距離感がある。

 母の方はなんという穴馬。一方で、アドマイヤキッスの方は高い人気に堅実に応えるタイプ。果たしてその娘、娘が生まれたらどんな馬になったろうか、などと想像もしたくなる。競馬歴十年くらい、母系三代、たぶん目にはしていると思うが、まだまだ少ない。
 さて、アドマイヤキッスが斃れても競馬は続く。キスキス馬券を演出したライバル、キストゥヘヴン、やはり気になってしまうのは悲しい馬券ファンの性。しかし、馬の天国を想像したっていいだろう、さようなら、さようなら。