天皇賞に気をよくして、しっかり考えることにした。「考えても無駄だ」という虚無感から逃げなきゃ駄目だ。
まず考えたのは、例年からどう読むかだ。中距離を使ってきた馬orこの先にスプリンター化する馬、どちらかだ。どうも、中距離系が結果を出しているのは、けっこう前の話ではないのか。そう思った。案外、短めの馬の方がいいのではないか。そして、午前のレースが進むうちに、やはり重めの馬場が気になってくる。そこで目に付いたのがダノンゴーゴー。その父アルデバランの弟が勝利。さらに母の父がポトリリャゾであって、ディアデラノビアの印象か、少し重めの馬場で差しこんできそう。連下として必ず入れよう。
では本命は何か。そこで迷ったのがディープスカイとファリダット。「ふぁりだっと」ってこのATOKで今はじめて打ったくらいのものだけれど、これが気になってきた。父キングマンボというのが適度によいのではないか。そして、午後に入って母父サンデーサイレンスが好走してきた。一方でディープスカイは、切れ者であってこの馬場でどうだろうか。そう、ここが敗着であった。「切れ者だけに馬場が悪くてどうか」。悪魔の囁きである。パドックではファリダットの高馬らしい雰囲気を気にすることにしたが、こちらのアグネスタキオン産駒も力強そうな馬体。まだ、俺はアグネスタキオンに誤ったイメージがあるのかわからない。だんだん馬場がよくなってきたというのにも懐疑的であって、ここでまだ取り戻せるチャンスはあったが、舵を切れなかった。基本的に、好みとは別に、馬券的にぴかぴかの良血に頼るところがあるブランド信仰……。
ほかに馬券の選択肢としたのは以下。サトノプログレスは前哨戦勝ちとは思えぬ低評価だが、タイキシャトルは悪い馬場走りそうで有力視。そしてダンツキッスイも母父タイキシャトルに父シンボリクリスエスでこういうところ向くのではないか。ブラックシェルも清水成駿の言うとおり前目の競馬をすればしぶといか。そして先ほどのダノンゴーゴーに馬連万馬券の夢。押さえに実力馬ゴスホークケン、ダンツキッスイを評価するならついでにエーシンフォワード、そして爆笑問題田中のレッツゴーキリシマ、これは父メジロライアンから。全体的に足下を気にしすぎたところもあるだろうか。
結果的にダノンゴーゴーをチョイスしたのは間違いではなかった。これのワイドという手もあったが、それは念頭になかった。それよりもファリダット。道中かかり気味なのが見えて、やはりスプリンター寄りすぎたか。馬体もまだ華奢なところがあって、成長途上かもしれない。三連複はボックスで買っていたのだけれど、そこでディープスカイを切ったのも詰めが甘かった。
馬場の回復、また、パドックでの印象で舵を切ること。毎日杯いい勝ち方経由のディープスカイを評価すべきだったこと。ダノンゴーゴーを評価できたのは悪くなかった。まだこの調子で行ってみよう。競馬最強の法則のレース傾向をよく読むこと、東スポの隅から隅まで読むこと、その日の血統傾向を見ること、例の狙撃表も参考にすること。俺は一から自分なりの方法で組み立てる術を知らないし、大レースでは狙撃術そのままというわけにはいかない。ただ、だんだん、一頃に比べたら血統に対するイメージは改善されつつある、築かれつつある、そう信じよう。