宇宙開闢以来われわれはトレンディ・エースと闘ってきたのじゃよー。

 元日本ハムのアイドルエースで現野球解説者、西崎幸広氏(44)の次女、西崎莉麻(15)が、女性9人組の新アイドルユニット「Power Age」の一員として芸能界デビューすることになり13日、都内で行われた初お披露目ライブに参加した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080714-00000031-sanspo-ent

 プロ野球選手の娘がアイドルに、なんて珍しい話じゃあねえだろうよー。なにせ身体的に選び抜かれた一握りの人間の、さらに収入と合致するジャンルの成功者だぜー。って、思い浮かぶのは大沢親分の孫と、「江夏の21球」で代走として登場した吹石の娘の吹石一恵くらいだけどよー。まー、だいたい嫁さんは美人だしさー、そりゃあ娘がスタイルよく出てきて、美人の可能性ってのはさー、そこら歩いてる人間の適当な配合よりも、ずっと可能性高いぜー。トンビがタカを産むこともあるけど、だいたいトンビが産むのは東尾理子だぜー。なんとなく陸上のオリンピック予選とか見てても、美人多いしさー、アスリートとかアイドルはそういう血統からきてんだぜー。
 しかし、考えてみりゃあさあー、もし時代が時代ならって、まあ石器時代だか戦国時代だか好きなところまで遡ってみてもいいけどさー、現代でわれわれが見ているプロスポーツ選手、トップアスリートなんてのはさー、その当時であれば武勇と智略を兼ね備えた武将つーか、英雄やろうねー。それが今じゃ、そりゃあ莫大な富と名誉を得ることもあるけれども、スポーツちゅう、娯楽ちゅう、興行ちゅう、そういう狭いジャンルの檻に閉じこめられとるわけかなー。ある意味、吹けば飛ぶような虚業であるとすら言えるー。
 でも、でもだなー。あんまり健康的な美男美女が支配する帝国の話なんて聞いたことねーよーな。美化はともかく、まあもしも美男美女帝国があったところでよー、血統なんてのはあてにならねーから、産まれた子の顔の出来いかんで存亡の危機を迎えるようなんじゃー、続かねー。でも、第三帝国とかそういうの夢見たー?
 つーか、われわれの、われわれって、肉体的にも顔面的にも秀でていない人間の血脈を遡ったさー、ご先祖様、頑張ったのかもしれねー。美に虚飾という負のイメージをおわせ、武に反道徳と無知のレッテルを貼ってさー、それでなんとか理屈こねて、ほっといたらかっこよくて、モテるやつ、運動神経のいいやつばかりが得をする世界を、ブスやチビにもつけいることができるようにさー、したんさー。非モテでも子孫を作ることができて、奴隷になってねーっての。でも、ひょっとしたら小狡いやつにさ、ずーっと世界は支配されてきているのかもしれねーぜ。
 ……って以上、ひがみ、そねみ、ねたみなどによって構成される偏見であってさー、たとえばもっとハンデらしいハンデを背負った人のこととか、あるいは人種的差別史から見たら、噴飯ものだって思うけどよー、でもさー、たとえば俺はチビなわけだけど、チビの些細な劣等感なんて、どうにも訴えようがねえし、勘弁してくれやー。
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