石川町午前五時五十分

 夏休みの宿題の子、八月の終わりにうめく君、君の二十年後がこの俺で。締切の過ぎた原稿を書きに追われる三連休の三日目。ネットでだらだら過ごして八時間。そこから資料集めで気づけば時計は朝五時を回る。伊集院光のラジオが終わり、バナナマンのラジオが終わり、よくわからない早朝番組が終わり、生島ヒロシのラジオがはじまったころ、家路につくのだ。寿町周辺の労務者の早足に歩くその脇をすり抜けて家路につくのだ。
 夏は朝から腐っていて、空気は清冽でなく澱んでいて、まるで夕方の四時みたいで。しかし、太陽は、太陽はあらぬ方向にあって、季節によって太陽は西から昇ることもあったのかどうか、勉強が足らないのでよく知らなくて。