旗日であった。

 日曜に少し無理をして出かけたせいもあり、体調が相変わらずすぐれないので出社もせず自室で休む。洗濯くらいはする。洗濯すれば干す。自分の竿にシーツを引っかけようとすると、右隣、騒音オカマじゃない方の、大人しい新隣人の竿に布が垂れ下がっている。大きな日の丸を干している。大きな日の丸を、洗濯したのだろう。違う、旗日だから旗を出しているのだ。たぶん。うむ、珍しい……!
 あと、家賃滞納で部屋をロックアウトされた向かいの部屋。あの部屋、やっぱり人が住んでいる。朝の四時頃、咳で目が醒めてトイレ。半分寝ながら便座に座っていると、外から物音。この時間に人が来るとは。すると、向かいの住人の部屋をノック。何となく物音を立てるのも嫌で、様子を窺う。
 「●●君、なんかドアに貼られてるよ? あれ、鍵しないの?」「家賃払ってなくて」「ギャハハハ、マジで?」云々。
 ということは、あれだ、鍵を使えなくして入居者を閉め出しているのではないのだ。鍵を使わせなくしてるのだ、あのドアノブカバーで。えー、マジで? なんか知ってはいけないことを知ってしまったような気がする。