商い雑感

 ときどき自分たちは儲けなさすぎているのかもしれないと思うことがある。はじめてのお客さんに値段を言ったら「もっと儲けなさいよ」と言われたことすらあるらしい。ちょっとした頼まれごとだと、ひょっとしたら予算外かもしれないのにと思いつつ、へいへいと応じてしまう。「予算がないから」と言われると、それじゃあしょうがないと値下げに応じてしまうというところもある。どうにかこの値段で、と指し値で言われれば、一緒にうんうん唸って安くすませる方法を考えたりもする。実はもっと儲けていいのかもしれない。が、しかし、たとえば入札勝負などで勝てるかといえば、さっぱり勝てない。年々勝てなくなってきている。最近では、「どうしてその価格で?」というようなケースもめずらしくない。一円入札的な、そういうからくりのないところでだ。見積合わせでも、渋い結果が多い。どうにもあんばいがわからない。よそはどうなっているんだ。とはいえ、営業担当的な人がいないという現状において、お客様が頼りにしてくださるというところは、社員一同感謝するしかなく、この厳しい時世において、まだ衣食住を保てているというところについては現状を肯定しつつ、明日はどうなる身かもわからぬという背水を感じつつも、年度末を生きぬいていきたいと思う。日記に現実逃避などせずに。