2021年 スプリンターズステークス&凱旋門賞回顧

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スプリンターズS(G1) 結果・払戻 | 2021年10月3日 中山11R レース情報(JRA) - netkeiba.com

本命はピクシーナイト。三歳馬は不利と言われているが、スプリント重賞二戦で連続二着。超高速決着にも対応してみせた。鞍上は福永祐一。おれは今年あたりから福永を信用している。枠も内目のいいところを引いた。これは頭があるんじゃないのか。そう思った。

とはいえ、一番信頼のおける軸馬はダノンスマッシュかと思った。実績一番。間隔があいているのもいい。枠も先行勢を見ていける外目。とはいえ、なにかこう、頭というイメージがなかった。そこで選んだのが新興勢力のピクシーナイトだった。

展開の予想としては、大外からモズスーパーフレアがぶっ放して、ビアンフェやらなんやら先行勢がやりあうハイペース。そこにピクシーやダノン、クリノガウディー、ジャンダルム、アウィルアウェイなんかが差し込んでくるんじゃないのか、と。

が、展開はちょっと予想外だった。モズが行ったのは予想通りだが、競りかけていく馬もいない。メイケイエールもおとなしい。そして、モズのペースがモズにしては遅い。ここで三番手あたりを確保した福永は見事だったといえる。

直線入り口、ちょっと狭いところを抜け出すと見事に伸びて快勝。二着はレシステンシア。もちろん買っていたが、本線ではなかった。

三着はシヴァージ。これは痛恨で、「ここのところ中山千二は一枠が来ているな」と思ったが、差し込んでくる馬として、G1ではちょっと足りないかと思っていた。馬連の相手としては抑えていた。ただ、吉田隼人が芝転向後のシヴァージとしては前目につけて、上手いこと立ち回った。アウィルアウェイからのワイドで遊んでいたが、シヴァージにするべきだった。

シヴァージ。準オープンのダート千四あたりで川田を乗せて一番人気、でも、先行して二着とか三着。そういうイメージの馬だった。芝転向で短距離の追い込み馬になり、重馬場では強いとなり、そしてスプリンターズステークスで三着してみせた。馬はいろいろな方向に変わることもある。

軸として信頼、とか言っていたダノンスマッシュは位置取りも後ろ過ぎたか掲示板にも乗らず。レースを壊すかもと言われていたメイケイエールが四着健闘。モズが五着に残った。

展開を読み間違えたわりには的中、という感じ。シヴァージ二着来ればもっと、というところだが、自分としては単勝を多めに買っていたのでよしとする。

 

夜は凱旋門賞

凱旋門賞(G1) 結果・払戻 | 2021年10月3日 ロンシャン4R レース情報(海外競馬) - netkeiba.com

ディープインパクト産駒、というより三歳牝馬で母父ガリレオというところを買ってスノーフォール本命。単純な発想。あとはフランスの小林調教師が推していたハリケーンレーンとアダイヤーの三歳二頭。この三頭の三連単ボックス。あとはスノーフォール一着固定で三連単を適当に流す。

日本調教馬二頭、クロノジェネシスとディープボンドは軽視。重に強い馬だとはいえ、欧州の重には対応できないかと思って切った。

レースは武豊が最初引っ張って(100回の凱旋門賞に9回乗っているのだから、10回に1回くらい乗っていてすごい)、クロノジェネシス田原成貴フジノマッケンオーみたいに外ポツン。そのまま先行。団子状態。スノーフォールは後ろの方から。ディープボンドも前に行かない。

直線、クロノジェネシス、力尽きる。アダイヤー? タルナワ? スノーフォール伸びないの? と思ったら、ドイツ馬のタスカータソルテみたいな名前の馬が差し切る。トルカータータッソ。母系にこのレースめっぽう強いアーバンシーの近親が入っているとかなんとか。あと、ドイツ馬は重に強いんだとか。おれは何年前の話だかわからないが、ジャパンカップに対応したランドや、ちょっと素軽い印象のあるタイガーヒルとか、まあ、イメージがわかなかった。父がサドラーズウェルズ系とは知っていたが、見たこともなく、母父の系統もわからんかった。カドージェネルーって何系だっけ?

というわけで、遊び心でドイツ馬から……という発想もなく、見事に昼の勝ちを吐き出して終わる。だいたい海外競馬で勝ったことねえんだから、やめておけよ、という。

でもなあ、凱旋門賞はいいな。面白いよ。なんだ、有馬記念みたいな感じか。今年のメンバーも馬柱見たら1着と2着が並んでるようないい感じの馬ばかりだったし(勝ち馬もそうだったんだけど)、やっぱり燃えるところがある。

べつに凱旋門賞は世界最強馬決定戦ではない。そもそもそんなもの存在していない。最高賞金のレースがあったとしても、べつにそれが最強馬決定戦ではない。競馬には芝もダートも長距離も短距離もある。芝といっても千差万別だし、ダートといっても大違いだ。

それでも、だ。日本競馬にはなんらかの目標があったほうがいい。そっちのほうが面白い。もう、日本の競馬場で行われる日本競馬において日本調教馬はほとんど勝てる。かつてはジャパンカップで打倒世界を目指した時代もあった。

今は世界に打って出て勝負だ。打って出てけっこう大きいところも勝った。でも、勝てないレースがある。凱旋門賞。それを長年の夢とか宿願とか悲願とか言ってもいいじゃないか。なかなか勝てないところがいい。とはいえ、二着に突っ込むことがあるくらいのところがいい。単に日本競馬最強馬を持って行っても勝てないし、日本競馬最強とは言えないけれど欧州の馬場に向いていそうな一流馬を持って行っても勝てない。今のところは勝っていない。

競馬の国ごとの絶対的な能力の水準というものがあるとして、日本競馬が世界に決定的に遅れをとっているわけではない。ただ、能力の方向性が欧州と日本では違う。いつか勝てるだろうが、まだ勝っていない。まだ勝っていない以上、宿願であり、悲願であり目標であっていい。そういうものがなければおもしろくない。また来年、凱旋門賞に挑戦する日本調教馬がいればいいと思う。その馬の馬券を買うかどうかは別だけれど。