2022年 スプリンターズステークス&凱旋門賞回顧

10/2東スポ田原成貴怪文書

スプリンターズS(G1) 結果・払戻 | 2022年10月2日 中山11R レース情報(JRA) - netkeiba.com

おれのスプリンターズステークスの予想は簡単だった。予想ですらない。メイショウミモザが出るのでメイショウミモザを買う。それだけ。とはいえ、まったく来ないと思っていたわけではない。晩成型で本格化した。マイル重賞を勝ったが、千八は長すぎた。前走は大外を回らされて大敗したが、まくってくる脚はよかった。今の中山はインコース、先行有利だ。丹内は乗れている……などなど。これでまったくの人気薄なのだから買って楽しいというものだ。

一方で、「やっぱりメイケイエール勝つかな」とか思っていた。思っていたが、テレビ東京の森アナ(かわいい)のちょい足し情報によると、ミッキーアイル産駒は中山千二で勝ったことがないという。調べてみると、二着が二度あるくらいだ。これはひょっとしたら、メイケイエールとナムラクレアどっちも飛ぶことあるんじゃないか? とか思った。そんな馬券もちょい足しで買ったりした。ウインマーベルにはたどり着いた。が、ナランフレグは追い込み不利と見て切った。

そして……ジャンダルムはおれのなかでまったく無印だった。「スプリントへの遅い転向後、母ビリーヴだからか意外に人気するわりに走らない馬」というイメージが強く(重賞勝ってるけど)、どうも手が出ない馬だったのだ。いやはや。荻野極がスタートから完全にレースを支配した。まいった。

メイケイエールとナムラクレアは飛んだ。それぞれ事情はあるだろうが、「ミッキーアイルは中山スプリント苦手」と単純に覚えておこう。むろん、いずれ勝つには違いないが。

 

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夜は凱旋門賞。これも予想するまでもなくステイフーリッシュが出るのでステイフーリッシュを買うだけである。ずっと買ってきたのだ。買うしかないだろう。でも、さすがに厳しいとは思い、少額単勝とワイド流し。

たまには、凱旋門賞を当ててみたい。そう思った。やっぱりガリレオの血か? 重いやつか? 長いやつか? そう思っていると、亀谷敬正曰く、凱旋門賞はマイル重賞実績のあるような、最後にスピードに乗れる馬、そしてドイツ血統だという。凱旋門賞有馬記念のようなレースで、欧州王道クラシックディスタンス路線とはちょっとずれた血が走るとかいう。

なるほど、トルカータータッソ。ん? 今年はデットーリ乗るのか。去年の鞍上は? 今年もドイツ馬で参戦。メンドシーノ。なんと前走でそのトルカータータッソを破っている。馬の二連覇と見せかけて、人の二連覇。人気もない。悪くない。そう思った。

と、どうも向こうは天気が悪いという。去年につづいて重馬場になるという。それだったら、トルカータータッソのリピートもあるか。トルカータータッソとメンドシーノからの馬連。あとは、なにが来るかわからんから、有力馬に「重歓迎」コメントの出ている馬の三連複ボックス。

え、日本馬? かろうじてタイトルホルダーにチャンスがあるかもしれないと思ったが、ドウデュースとディープボンドは完全無視。ステイフーリッシュは先に書いたように応援。そのくらい。パンパンの良馬場とかいうならまた話は違ったかもしれないが、向こうの重馬場はもう異次元だ。ドウデュースは日本ダービーの結果や、トライアルからも向いてなさそうだし、ディープボンドは去年の結果がある。

ただ、タイトルホルダー。岡田牧雄が言うように「重の鬼」で、なおかつ欧州にあまりない徹底先行タイプ、つまりは強力な逃げ馬。ワンチャンあってもおかしくはない。

が、やっぱり向こうの重馬場は異次元なんよ。向こうの馬にとって日本の高速馬場が異次元なように。とはいえ、たまに次元の違うところに生まれてきてしまった馬もいるので、ノーチャンスではない。そこに「凱旋門賞狂想曲」がある。二着はあるのだ。岡田牧雄は日本の馬は欧州向きではないのだから、いい加減に凱旋門目指す風潮に終止符を打ちたいという意向。

でもな、ファンとしてはやっぱり凱旋門賞なんよ。少し驕った発言をしてしまえば、香港でもドバイでもオーストラリアでも勝つことはわかってしまっている。アメリカのダートはやはり異次元だが、日本競馬の基本はどちらかといえば芝だという思いはある。北米の芝なら勝負になりそうだ。だが、そこにそれほどのロマンはない。日本競馬には夢が必要だ。かつてはジャパンカップで外国馬に勝つのが夢だった。なにか追い求めるところがなければ、面白くない。

まあしかし、それにしてもアルピニスタの強さよ。持ったまんまで楽々タイトルホルダーに並びかけ、ぶち抜いていった。ヴァデニはフランスダービー馬。フランスダービーが距離短縮してからの方が、凱旋門賞に相性がいいらしい。この馬も距離不安、馬場不安から回避も噂されていた。三着にディフェンディングチャンピオンのトルカータータッソ。適性があるのか、二着あるかという伸びを見せた。メンドシーノはあれだな、すでにパリロンシャンのこの距離で負けているというのを重視するべきだった。三連複は拾ったが、人気サイド。日本のファンは単勝馬券と連勝馬券をきっちり切り分けている。

というわけで、今年も日本競馬の夢は絶たれた。でも、いつか晴れた日のパリロンシャンをぶち抜く日本馬が出てくる。それが日本競馬史上最強馬なのか、たまたま欧州に適性があるのに日本に生まれてきてしまった馬なのかわからない。でも、いつかそんな日が来る。そう信じたい。今年の結果で完全に悲観的になる必要はないのだ。