第1回横浜国際女子マラソンを見に行った

 承前、ヌデレバ姐さんを応援に行くということでのこのこ出かけた。結論から言うと、至近距離でヌデレバ姐さんを応援できたが、マラソン観戦など初めてのために、肝心の勝負所を見逃したりしており、まだまだ修行が足りないというところ。また、写真の方も後ピンとかいうのか、向かい側の観戦者の顔をばっちり写したものが多く、中には「これはこの被写体にプレゼントしたいくらい男前だ」などというものもあって、やはり走る人を撮るのは超むずかしい。

レース前



 関内駅で同行の人と待ち合わせ。途中、いつもの風景の中に中継車や白バイ、ボランティアの人たちなどがたくさん。こういうとき俺が何を思うのかといえば「よかった、日付を間違っていなかった」であって、だいたい上の記事をアップするくらいだというのに、いざ当日になると「なにか間違っていたのではないか」などと不安になるのだ。
 あと、関係ないけど、関内駅のまわりで、片手突きだして念仏唱えてる人がぽつんぽつんといたけれども、なんか結界でも張ってたんだろうか?

ファーストコンタクト

 まず、選手は山下公園あたりを小さく二周する。公園に近い方は人がぎっしり。ちょっと先の、スカンジナビア料理屋あたりに陣取る。逆光で日射しのきつい側。トライアスロンのときもそうだったが、いつものシルクセンター前の交差点の景色も変わる。ラジオでテレビ中継を聞く。ワンセグも見る。なに、Qちゃん試走とかしてたのか。というか、土曜の晴れたあと、コースあたりに選手たちいたのか。ちょっと後悔。俺の後悔とは関係なく号砲。さあ、あの人たちは脚が速いからすぐに来るぞ!



 うわー、来た! あ、逆光でぜんぜんわかんねー! 無闇に連写だ! と、ちょっとだけ先頭集団が撮れていた。そして、お決まりのようにちょっと後ろにつけたヌデレバ選手……! いた! うおー、でもピントあわねー! つーか、肉眼で見よう。おお、すごい、スラッとしてる。想像以上に細い。しなやか。かっけー!



 で、その後に来る選手たちになるとだんだんカメラも慣れてくるというか、そんな感じ。この時間、晴れていて、しかも暑かった。あとから放送を聞くに、一番上がったとき20度あったらしい。

セカンドコンタクト

 さて、選手たちはみなとみらいから北上してあっちのあのあたりまで行って、俺がふだん右折して北上するあたりを、左折して戻ってくるという。こっちは横浜スタジアムの方に行き、本牧方向に移動しつつ迎え撃とうという作戦。橋までいったん行ったが、元町の方は人がぎっしりのようで、少し引き返して、空いているところから待つ。
 ……来た、先頭集団。でも、前に人の頭があってうまく撮れない! が、やっぱりヌデレバ姐さんは先頭集団からちょっと離れて単走してるからわかりやすい! うわー、すげー目の前!




 この、選手たちが吸いこまれていく山手トンネル。この山手トンネルって、登り車線、下り車線と2本トンネル合わせての呼称だと思うんだけれども、いや、しかし、ここか! という。こっちと逆のトンネルは、俺が一年に700回は通ってるところだぜ。それで、解説で、「このトンネルが坂になってる」ということを言うんだけれども、そうなんだよ、そう。トンネルだから気づきにくいけど、これ、けっこうだらだらとうっとうしい坂なの。お年寄りとか、ママチャリで走るの無理。逆に、下る場合はスピード出るから注意。そんな、すげえローカルな、俺が横浜に越してきてから一番はじめに覚えたくらい、ローカルなところを、お前、北京オリンピックの金と銀の人とかが走るんだから、なんかテンションあがった。

サードコンタクト

 トンネルを渡って本牧方面へ。ここのすげえ長い商店街が全部コース。ふだんは自転車走行に邪魔な停車車両が一掃されていて気持ちいい。ここをクロスバイクでぶっ飛ばしたいと思う。一方で、石川町、関内、みなとみらい方面に向かう登り車線はひどいことに。どのくらいひどいかというと、まあまったくひどいとしか言いようがなく。どこが目的地かわからないが、とっとと左折して、山手駅方向や柏葉通りから山手の山越えしてしまえばいいのに。……と、車からマラソン観戦? の人もいたかどうか。まあ、それも可能なくらい大渋滞というか、動かない車の列、結局、コースである山手警察署の前まで。
 で、そんな中で、三度目のご対面。はっきりいって、観戦ポイントとしては、山下公園付近より本牧通り。人が少ない。みなとみらいの方はわからんが、たぶん、その、マラソン目的でない人が元から多いから、かなりたいへんなんじゃないかと。

 ともかく、来たぞ先頭集団。解説によると、日本人選手が責任をもってトップ引きをしているらしい。それがこの11番嶋原清子選手。結果、見事に2着。一方で、勝った6番のインガ・アビトワ選手が見あたらない……と、たぶん、嶋原選手の左肩の上に、ちょっとだけ見えてる蛍光イエローの勝負服と左手。これではないでしょうか。

 結果3着の我らがキャサリン・ヌデレバ。相変わらずちょっと間を置いて走る。この、素人にもわかりやすいスタイルが好きすぎる。ここで俺、競馬場で叫ぶみたいに「ヌデレバッ!」と応援したもんね。いや、応援になってるのかどうかわからんけど。

 北京金メダルのコンスタンティナ・ディタ選手は、もうかなり遅れ始めていた。素人目にも苦しそう。……なのだけれども、だからといって、ずるずる集団に取り込まれるわけでもない。テレビなどで見ているとわかりにくいが、先頭集団の人らは無茶苦茶速くて、そこから遅れた人も、遅れはしたなりに無茶苦茶速いのだ。いや、レース展開や大会の種類などによって違うのだろうけれども、これは感じた。
 と、ここでなんかもう結果を書いてしまったのは、この人たちの姿を見たのがこれで最後になったから。いや、なんかもう歩き疲れて、飯食おうということで、イトーヨーカドーのフードコートで飯食ってたら、その間に通り過ぎてしまったみたい。なんというか、先頭集団の人たちは脚が速すぎる。
 ちなみに、こういうマラソン大会などを見るのははじめてなのだけれども、TBでDSQ、つまりタイムオーバーで失格というのがバンバン行われていて、出走したのが500人以上で、完走したのが半分くらいだったか、完走といってもクオリティを満たさなければいけないのだな、とか。こんな風に直接見なければわからないこともいろいろある。

最後まで! そして来年!

 そんなわけで、あとはコース沿いに山下公園に向かって歩いて行った。もう、ずいぶん選手たちもバラバラになってしまって、それでも道路はピシッと規制されていて、沿道からひとりひとりに拍手歓声が巻き起こるという感じ。まあ、しかし、山下公園から遠いあたりは、あまり人もいなかった。本当の観戦スポットは、本牧よりこっちかもしれない。
 しかし、なんというのだろうか、沿道の中でもひときわ大きな声を出す人たちがいて、それは走ってる選手のチームメイトだったり、マラソン愛好家だったりするのだろうけれども、テレビ観戦などではあまりわからないような熱さであって、いいなって思った。ある女性観戦者などは、選手が来るたびに「あともうちょっとだから、苦しいけど頑張って!」とか「横浜マラソン楽しんでね!」とか声をかけ、ときには「熊本からわざわざ来てくれてありがとう!」などと、選手のプロフィールか所属かを応援に取り込んでいたりした。なおかつ、選手が途切れるとタタタッと走ってゴール方向に向かっていったのだから、あれはもうたぶんかなりのベテランマラソン者なのだろう。






 最後はイチョウ並木の黄葉の中を走り抜ける選手たち。って、周回コースだし、だいたい朝から黄葉していただろうなどというところだが、なんとなく自分にはフィニッシュを彩るものに見えた。おつかれさま、また来年! ヌデレバ先生も待ってるよ!

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