もしもダンスが踊れたら

 俺はダンスとはほど遠い人生を送ってきた男だ。俺に関係するダンスといえばダンサーズイメージだのネイティヴダンサーだのフェアダンスなどであって、この身体をリズムに乗せてどうこうするといったこととは無縁なのだ。
 そんな俺がこんなふうに思う。「HALCALIになって、ストロベリーチップスを踊りたい」と。
 踊りたいんだ。時間差でストロベリーポーズ、横、横、とろけて、キメッ!
 そうさわかってる。俺はハルでもカリでもないし、ましてやハルカリでもない。音感もないし運動神経もない、歌ったこともなければ踊ったこともない、そもそも若い女の子ではない。詮なき願いここに極まれり。でも、なりたいな、かわいい女の子に! それでけだるそうに、それでも楽しそうに踏むんだステップ、ステップを……。
 これはただこれだけの話だ。ひとついっておくと、俺はたったこれだけを書くのにえらく時間がかかってて、それは別タブでYouTubeでこの動画を垂れ流しにしていて、思わずそっちに切り替えて見とれてしまったからだ。だからなんだというのだ、これはただこれこれの話なんだ。

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俺はボクサーになれるとしたらサーシャ・バクティンになりたいし、ギタリストになれるとしたらバーナード・バトラー、将棋棋士になれるなら久保利明になりたいのだけれど、俺が、ロックバンドになれるとしたら、チャットモンチーになりたい! それで、「風吹けば恋」歌いたいんだ。もう、それしかないだろ。

関内関外日記(跡地)