ザ・岡田ジャパンのことがよくわかんね

 ワールドカップとかいうので日本代表がオランダとかいう国と対戦みたいのして、善戦だとか惜敗だとかしたみたいで、俺もそれを見ていたんだけど、「なんでかなー?」って思ったの。
 だって、お前、忘れそうだけど忘れちゃいけないのは、日本代表とかってテストマッチみたいなの四連敗に、さらにジンバブエだったかとの練習でも九十分やって一点も入らなかったんだぜ。
 いやね、「強いものが勝つのではなく、勝ったものが強いのだ」みたいな言葉もあるけどさ、それって基本、前提、「強いヤツがだいたい勝つもんだよね」ってのがあって、その上でなんか意味ありげに聞こえるもんじゃん。その前提でいけば、負けっぱなしの岡田ジャパンってかなり弱いはずじゃん。それが、クソったれチーム状態とはいえカメルーン撃破に、いや撃破っていうほど景気よくないかもしんないけどさ、それで、その上オランダ相手にちゃんと試合して、なんだそれって。まあ、合計で一点しか取ってないけどさ。
 まあね、そりゃカメルーンやオランダが急に呼ばれたジンバブエ代表より弱かったとか、そういう可能性もある。あるにはある、ありありありのモハメッド。でも、まああんまり考えられない。だったら、日本代表がかなり強くて、強いけど弱いフリをしていたとか? あるいは、あくまで練習であって、練習の重点が点をとることや点をとられないことではなく、別のところにあったとか? なにその練習。じゃあ、わざと弱いふりして、相手を油断させるつもり? そんなわけねえか。というと、やっぱり、なんか急激に強くなったの?

しかしながら、スピードがない、守れない、つっかけられない、というマイナス要素は、今のチームでは明らかに致命的である。思えばつい最近まで(それこそ5月の韓国戦まで)、このチームは中村俊を中心に回っていた。しかし、その後の抜本的なチーム改造によって、それまでずっとサブ扱いだった阿部や駒野や松井や今野泰幸が台頭している現在、中村俊の存在は明らかに「チェンジ以前」の象徴として人々の目に映るようになってしまった。

http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/cdetail/201006200005-spnavi

 まあ、強くなったつーか、チームが改造されたの? なんかそれ、気付かなかったんだけど。まあ、俺、サッカーわかんねえからしょうがないけど、あんまりマスコミとかも、カメルーン戦の前に「これこれこういう風にチームを変えました」みたいなの聞いてない。まあ、俺が見つけようとしなかっただけかも。ただ、「本田圭佑ワントップ」ばかり入ってきたような。でもって、その、中村俊輔中心のチームじゃなくなったぜ、みたいなのがさ。
 うーんしかし、もうかなり日本全国気味に俊輔ぶっ叩かれてる感じだから、逆になんかかばいたくもなるけど、まああんまりかばい方わかんないけど、素人目に見ても試合に入れなかったみたいに感じた。そんくらいチームが変わってたのかな? くらいに。
 したら、よくわかんないけど、俊輔のはモダンじゃないサッカーだみたいな。じゃあ、モダンサッカーとはなにかと言われてもようわからんが、こう、みんながみんなポリバレントにいろいろやれて、司令塔とかそういうのなしに有機的に連動、連携してくような感じだろ? みんながみんなそれなりにフィジカルで勝負できて、みてえな。それで、リケルメが恐竜扱いされたり、レコバ夢遊病者扱いされたりしてんだろ。それで、俊輔の一発で試合をひっくり返すようなのも、もう過去になっちゃったと。今はモダンなフットボール、略してモフの時代なんでしょ?
 いや、わからんけど、そうなんだろ? 違うの? でもって、そうだとしたら、なんで5月まで岡田ジャパンは前近代だったの? とか。いや、わからん、そのあたりわからんのは、「岡田ジャパンは本番になって理想のサッカーを捨てた」みてえな論調があることで、なんとなく理想のサッカーと言われるのも、どちらかっていうと、モダンなんじゃないの? みてえに感じるところで。
 まあ、サッカーの歴史も知らん人間にモダンもポストモダンもないんだけれども、なんかこう、急に岡田ジャパンがワールドカップで勝負できてる不思議みてえなのがあってさ。でも、こう、そのあたりは、急に舵をべつの方向に切って、なんとか本番に間に合いました、みたいなところかとか。いや、なんかそんなにぎりぎりで舵切って成功するなら(まだデンマークに引き分けたわけでもないけど)、今までの四年間、あるいは岡田継承後のはなんだったんだろう? もしもうまく積み重ねられてたらもっと余裕だったの? とか。
 けど、余裕いっても、なんだ、そんなにベスト4とかじゃないんだろうけど。なんかサッカーファンには悪いけど、ヨーロッパでも南米でも、五十年とかそういう単位でワールドカップと付き合ってきてるようなところに比べりゃ、まだ日本はようやくちょっと仲間入りしたところじゃないの? くらいの。そのうちまた本戦出場逃したりもあるだろうし、そんなん繰り返していく、その入口、入り口から靴脱いでちょっと玄関に立った程度じゃないの? みたいなところもあって。これが過小評価だったら謝るけど、まだ戦い方云々のところじゃねえんだろ、みたいに。
 で、なんだかわからん、現実主義だか弱者の戦いだかなんだか知らんが、ボコボコにされりゃつまらんし、いい勝負すりゃおもしろい。俺はちょっと無理っぽいけど、にわか、ミーハー、つきあいで見させられてる、そんな中から強まったサッカーファンが出てくるんだろうし、戦い方だの美学だのはそのあとで結構、ともかくやっちゃってくれよとか思いつつおしまい。