箸の話、チャイナタウンにて


 ……箸ってなんかおかしくないっすか? これ、棒2本。人間の子供をですよ、生まれてからずっと白い壁の部屋に、一人で置いておくんです。誰とも合わせない。それで、あるとき食事と一緒に木の枝とか、そういうものを一緒に出す。そしたら、「ああ、これこれ、2本持ってね、お箸」って、箸、使わんでしょう。なんか、ぶっさしたりするんじゃねえのって話ですよ。フォーク、これ基本。箸使ってんの、どこ? 中国、箸使う、韓国、日本、東アジア、逆に、逆にヨーロッパ人、箸使わない。ああ、そう、手の人らもいるけれども。

世界の約3割の人が箸で、4割が手で、残り3割がナイフ・フォーク・スプーンで食事をしているとの統計があり、これは、食物の違いや調理法に起因するとする見方がある。

 はい、3割が箸、来たよ。手って、インド? インド人みんな手だったら、そりゃ世界の何割っすよ。

このうちタイとカンボジアラオスでは、汁に入った麺類を食べるときだけ箸とレンゲを使い、他の料理にはスプーンとフォークを用いる。この中で、中国と朝鮮半島では匙を主に使う匙主箸従型である一方、日本では主に箸が使われ、また澄まし汁や味噌汁といったスープにも箸を使用するため、椀を手に持って口に運ぶのも日本だけであるとされる。

 つーか、なんで日本人、スプーン文化発展しなかったの? よくわかんねえけど。だって箸で味噌汁の汁がすくえるか、おまえにサンが救えるかって話になるでしょ、乙事主さま。あ、しかし、だからあれか、中国、朝鮮から見ると、日本人の椀を口に運ぶ作法が下品ってことになるんすね。

 でも、ちょっと待った、待て待て、どう考えても、汁物すするのに、匙でなんども手ぇ往復させるよりも、椀に口つけてぞるぞる飲み込んだほうが早いわ。合理的じゃん。マジ早い。

 あ、紹興酒のおかわりサービス? いいっす、いいっす、いや、ほんと、ああ、ああ、どうも、ごちそうさまです。

 ……って、今の、マジっすよ、俺もう飲めない。ザラメも食えない。だって、もともと体調よくないから。でも、あれっすね、中華料理ってのは、食ってるうちに食える気になってくるなんか得体のしれないエネルギーあるみてえな。なんかこの、白いマーボーの辛さがね、こう、医食同源正法眼蔵っすよ。いや、道元って突っ込まないと。

 いや、まったく。

 しかし。

 2010年、オチもなく。