勝手に年末年始アニメ三昧その1　『OVERMANキングゲイナー』

　機動戦士ガンダムと同い年の俺だけれども、ガンダム世界以外の富野由悠季についてはまったくといっていいほど触れたことがなかった。近くのゲオがアニメ旧作100円なのに気づいて、手始めに『キングゲイナー』を一気に借りて、観た。
　舞台は、近未来か、未来か。地球環境は、よくないらしい。（ここで気づいたけど、今、すごく文章をつなげられない感じ）。それで、どっかシベリアの方で、ドームポリスって、まあそういう閉鎖型の都市みたいのにピープルが住んでて、物品輸送を一手に握ってるシベリア鉄道がえばってる。この、「シベリア鉄道」というのがいい。略称の蔑称が「シベ鉄」というのもいい。いちいち水野晴郎の顔が浮かびはするが。それで、そんなところゴメンだと、ヤーパン（日本方面）にエクソダスするのだと、その都市ごと逃げていくわけよ、住民が。これもいい。ガンダム的に言えば、コロニーをギャロップが引っ張っていくわけだよ、シベリアを。悲しみの裏側にはなにがあるの？　雪に迷うトナカイのかなしい瞳？　そんで、主人公が、エクソダスに巻き込まれて、というか、まあそれで、シベ鉄に追われたりするという。
wikipedia:OVERMANキングゲイナー
　つーか、Wikipediaでいいじゃねえか。「独自研究」と「雑多な内容を羅列した節」があるがゆえに読みがいがあるとも言える。承Wikipediaの該当項目、たしかに（おれの大好きな）『∀ガンダム』に通じるような、どこか明るさがある。そして、なんといってもおもしろい。
　なにがどう面白いといわれても困るが……。話があるというか、冒険があるというか。そういう意味では、昨今俺がアホ面下げて見てるアニメなんかはぜんぜん動かないよな、とか。部室だの、海の家だの、商店街だのと。いや。だめじゃないんだけど。なんつーの、そういう意味では、違う、かね。たとえば、『天元突破グレンラガン』みたいなね、ああいうスケールの話みたいなの。そう、そういうの、少なくとも俺の観測範囲ではあんまり数多くないのかしらん、みたいなね（まあ、ぶっちゃけ、おっさんがかわいい女の子見て心癒される、そういうものをアニメに多く求めている面がでかいので）。そんで、でも、それが面白かったです、と。ストーリー？　長編っぽさ？　はじまりと終わりとその後の想像？　やっぱりすげえよ、富野御大というような。
　で、絵柄とか、質感？　ようわからんが、自分が観た中では劇場版『エウレカ』とか、『亡念のザムド』みたいな？　これは……吉田健一さん風？　さすがにアニメスタッフの名前まで覚えきれない感じはあるが、そういうような。でも、正直好きなので、今度はTV版の『エウレカ』を観る仕事をしようと思う。
　それにしても、まあ台詞の富野節というか、それはすごいな。ビシビシ感じた。まったくうまく言えないが、それぞれの人物がそれぞれの頭を持ってて、いろいろ別のもん見てて、その違いの際立ちで会話が成り立ってるような、というか。いや、富野節というと、ふつうはなにかこう、言い回し的なものを指すのか。わからんが。
　あと、あれだ、これもあまり詳しくないのでなんとも言えないが、声優がやっぱり近頃見てるアニメとは違うな、と。変な表現だと申し訳ないが、素人っぽいというか。いや、声優的でないという感じ？　アニメ的でないという感じ？　これは多分に富野イズムなのだろうけれども、それもやっぱり聞いていてだんだん、こう、じわじわくるというか、いいなぁと、思えてくる。

　それで、いいなぁと思えたキャラといえば、一人だけ挙げるとすればシンシア・レーンというキャラになるだろうか（二人挙げればアデット先生が足される）。なんというの、∀のメリーベル・ガジェットっていたじゃん、俺、すごい好きで。まあ、シンシア様は目の周り塗ったりしてねえけど。

　なんかYouTubeにあったから躊躇なく貼るけど、この「甘い、甘いよ、チョコレートより！」のところとか、すごいメロメロ。キリっとしてて、上からカッとこられるような、この、見下されたい感というか。このシーンはDVDでコマ送りにしたわ。いや、俺は決してサドっ気のあるロリキャラに蔑んだ目で見られたい願望があるということを隠そうとしたことなんてないなんて言わないよ絶対。思い返せば、『サイバーボッツ』のデビロット姫にやけに惹かれていた中学生のあの頃。……西村キヌという名前が浮上してきたりもするか。いや、しかし、この話、女性キャラがそれぞれにまたこれがいきいきとね、躍動しとるよね。それは見ていて楽しいね。生きに生きてる感じがする。
　まあ、そんなところで、『エウレカ』観る仕事に戻るから。おしまい。