ちゃんと伝わったのか？『ちゃんと伝える』

ちゃんと伝える スペシャル・エディション [DVD]

　『冷たい熱帯魚』に続いて『ちゃんと伝える』。ガンで余命いくばくもない父親の息子がさらに余命いくばくもないというヒューマン・ドラマ。園子温監督作品はこれが二つ目。
　……で、開始十分くらい観て、なんだこのリア充映画は、という気持ちにも。ああ、おれは機能不全家族育ちの『サマーウォーズ』に嫌悪感持つような人間なので。
それで、画面に奥田瑛二が出てきて（『風のガーデン』も末期がんだったな）少し不穏な空気が漂ったので、少し期待する。いったいこの父子にどんなどす黒い過去が、と。
　と、あんまりどす黒くないのでして。わりかし。『冷たい熱帯魚』のでんでんもとい面々がどんどん出てくるので、そのあたりは妙にどす黒いのだけれども、それはこっちの話であって。がんの表現も『風のガーデン』ほどでもないわけで。あんまり覚えてないけど、『風のガーデン』。
　そんでまあ、なんだ、けっこう最後でちゃんと見たし、ホロリともしたわけだけれども。だけれども、なんとも、なんかこういう、そういう映画として、なんかヘンなところもあるのだけれども、そういうもんだったと。シマノはわりとメジャーだし。
　でも、役者さんはみんないいよね。あとから知ったけど、EXILEの人のなんかもっさりした具合とか、吹越満の医者とか、高橋惠子はものすごい綺麗だし、ねえ。伊藤歩さんね。
　うーん、スカッというより、スカスカの感想しか書けないな。もっとキック力が出るとしたら、やっぱり父親とのどす黒い過去とか、なんかもっと癌とかじゃない爆彈告白とかな。いや、そうなったら違う話か。いや、そういう映画じゃないし。
　いや、もっと気に入らなかったら、いろいろ言葉も出るんだけど、そうでもないし、というか。でも、表現できないようなグジグジした気持ちが残ったかというと、それもないし。いや、わかるか、俺の気持ち。わからんか。そうだろう、それじゃ。

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