アンプラグド・エターナル・ドリーミング・アンド・ドリーミング・ノー・シーベルト・アイランド・ワールド

 アンプラグド・エターナル・ドリーミング・アンド・ドリーミング・アイランド・ワールド。
 ひび割れた人工地盤、砂ぼこり舞う。コンクリートの照り返しはきつい、気温は低い。ラジカセからテーマミュージック、のびきったテープ。
 ようこそ、ボーイズ、そしてガールズ。ミッキーだよ、ミニーよ。オー、ミッキー、ターンしてターンしてターンしてポーズ。オー、ミニー、ターンしてターンしてターンしてポーズ。愛してるよミッキー。私もよマイハニー。

 ネイチャー・アンド・ネイチャー・ノン・テラベクレル・アドベンチャー・ワールド・ゴーズ・オン・ザ・シーワールド。雑草分けいってアンストッパブル・ジューシー・ジャーニー・ジャングル・クルーズ、陽気なスキッパー、割れた看板、おいしげるだけの木々、濁った水は塩水。「海賊どもを見なくなって何年経つかな?」。

 「あれは?」
 「ドナルド・ダックだよ」
 「いや、リロかスティッチかどっちかと思って」
 「じゃあリロだ。あんた、ところで、ハチミツをたべないか?」

 イット・ワズ・スモール・アンド・ビッグ・ブラザーズ・ノー・ポルノショー・スウィート・エア・ディズニーシー・ワールド。単一電池のかぎりリピートするラジカセ。こどもせかい、おかしなせかい、こどものせかい、おかしなせかい、こどものせかい、おかしなせかい、こどものせかい、おかしなせかい、こどもせかい、おかしなせかい、こどものせかい、おかしなせかい、こどものせかい、おかしなせかい。ラブ・アース・アンド・チャイルド・ピース・ピース、そしてピース、スマイル、ハニー、笑うんだ、チャイルド。ノット・ポルノ、ノイズ、エコーしてホワイトアウト

 「わたしメリー、おうちがないの」
 白い水蒸気を吹き上げる、ノン・エレクトリカル・ドリーミング・ニュー・スタイル・エナジー・イン・ザ・キャッスル・オブ・プリンセス・アンド・ヘルシー・アイランド・イースト。一号機から七号機まで、お姫さまをかこって歌うよ、ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ。魔女の毒リンゴは食べたらだめよ。ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ。ほうれん草とミルクもだめよ。ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ、ハーイ。
 「わたしメリー、おうちがないの」
 かわいそうなピティ・プリティ・マイ・プリンセス、今日はモール、明日はマリナード、水蒸気がこわくて浅い眠り。ノー・ポルノショー、少しのアルコール・オンリー。そして彼女は白塗りの化粧を崩して歌うよ「ユー・アー・マイ・シーベルト」。

 ブルース、ブルース、分け入ってもブルース、そしてブルース。プリティ・キャスト、スティール・キャスト、履きなれた運動靴で歩け鳥たち。ドナルド・レーガン・ダック、フィリップ・K・ダック。オールダックス・メランコリック・カンパニー。
 「今日が最後なんだ。もう、こりごりなんだ。ほんとうは嫌気がさしていたんだ。もううんざりなんだ」
 キャスト、キャスト、オールキャスト、鳴り響けブルース、響き渡るブルース。ハーモニカ、シンバル、ドラム缶、ドーン、パッパッパ、ドンドンドン。どんどんすすめアンプラグドの兵隊、地声で歌え歌姫、君はピーター・パン、そしてティンカー・ベル。ステップ・ターン・ステップ・ターン、キック・アンド・バック、見つめ合ってキッス。「愛してるよ、ティンカー・ベル」。ラッパ鳴らせ、太鼓叩け、さめざめと泣け、まきちらせ紙吹雪。埋め立て地の直線、十字路を踏み越えてゆけよ行列、はるか北まで、北の方まで。ゆけよ行列。俺も連れて行ってくれその行列の末尾、俺もアンプラグド、アコースティック・アースの呼び声、はるか行くよ北の方までまだ見ぬノーザン・スターライト・ハッピー・アイランド・ワールド、やがては俺のヘブン、真っ白なビーチ目指して、冬の子たちとともに砂埃あげて行進するよ、どこまでも、どこまでも、手を振り、あなたにさようならも言わずに、足を上げ、鉄琴、シンバル、ホイッスル、手足揃えてステップ・アンド・ステップ、ときにジャンプしてハロー、もうすぐ見えてくる、きっと見えてくる(泣かないで、ティンカー・ベル)、埋め立て地の直線、錆びた空き缶、十五年前のヤングマガジン、蹴飛ばして、笛吹け、踊れ、鳴りつづけろ音楽、きいたことのないミュージック、そしてパレード、圧倒的な光、行こう感傷のパレード、振り返ることなく、さようならも言わずに、ただただ白い世界、白い世界、白い世界へ。